どうもうまくことが運ばない。
それが意図的なものなのか、それともやむを得ない事情としてのそれなのか、こちらには測る術がないけれど、気がつくと、要求しているのはいつもあたしなのだから、これはどうにもバランスが取れていないと反省したりする。
片想いには不慣れで、どんな加減にしておけば楽しめるものなのか、自分でも探っている最中なのだけど。
片想いが不慣れなのは、片想いするのが下手だからです。
あたしに片想いする人が「逢いたい」と言っても、あたしは「やだ」って言ってしまうので、あたしが片想いする人が「やだ」って言わないことが不思議で仕方ない。
冷静に考えれば「忙しい」って理由だって、「あなたに逢う為に割く時間はない」ということでしかなく、忙しいという文字が心を亡くすと書かれることを鑑みれば「あなたを想う心などない」という意味に捉えた方が賢いんだろう。
なのに、どうしても、「そう言う気持ち」と思ってしまう。
「やだ」とは言わずに「忙しい」と言う、その人の気持ちがそこにはあるのだから、変に勘ぐって察したつもりになるのは、その人のその気持ちを台無しにすることになるんじゃないかと。
自分が逆の立場でも、そう思うから。
まあ、世の中には社交辞令とかお愛想なんてものが存在していて、あたしはたまさかそういうものに余り関わらない世界に生きてきているので、基本、それらがなんだかよくわかっていない。
「君は社交辞令やお愛想を真に受けている」と、友人に指摘されたりするのだけど、こちらが真に受けて初めて、それらはその役割を果たすものなんじゃないかと。
だって、社交辞令だのお愛想だのってバレバレで、相手もそうとしか受け取らないとしたら、わざわざそれを口にすることは、とても恥ずかしいことだろうと思う。
真に受ける、というのにも色々加減があるのだな。
褒め言葉にしろ、口説き文句にしろ、あたしが真に受けるのは「そう言いたくなる気持ち」の部分だから、真に受けても別に困ることは何もない。
「美人ですね」と言われて、あたしは美人なのだ、と思うほど間抜けではないのです。
ただ、その人が何かあたしをいい気分にさせたくてそういう言葉を口にする、その気持ちのところを真に受けて、「えへへ」なんて笑うのです。
だから、誘うたび「忙しい」と言って断る人が「やだ」とは言わないことにも、「拒絶しているとは思われたくない」という気持ちの部分を受け取って、「じゃあまたお誘いします」とへらへら引き下がるのです。
そして、延々とそれが続く。
さすがに、どうもあたしに逢うことは優先順位が低いのだな、ということはわかる。
わかったからって、どうしたらいいのかは、わからない。
煩がられたいわけじゃないし、そりゃもちろん「逢いたい!けど、今は忙しくて逢えない」くらい言ってくれないもんかと思ったりもするし、せめて電話くらいしてくれないもんかと淋しくなったりもするけれど、本当に心を亡くすほど忙しいときにはそんなことできないものだとあたしも思うので、やっぱりへらへら引き下がる。
そこが変ですね。
忙しいわけじゃないのかもしれないけどそう言ってくれる気持ちの部分を受け取っているはずなのに、本当に忙しいのだからきっと無理みたいな、自分に都合のいい解釈を挟み込んでいるのだから。
もちろん始めのうちは「忙しいんだなあ、大変だなあ」と思っていたけど、徐々に「逢わない言い訳だったりするのかなあ」と歪んでいく。
自分の歪みが分かるから調整すべく相手の事情を慮ろうとするのだけど、そこにもまた、向き合えない故の歪みが生じる。
この歪みが生じる時点で、物事が真っすぐに見えていないのだと。
そういう自分の状態が、嫌です。
だから、片想いするのが嫌い。
混乱している自分の扱いが面倒だし、持て余してしまう。
おまけに、人の気持ちを察するのが下手。
よって、向き合っていない状態である片想いが下手。
こんなふうに分析するのは面白いのだけど、それで毎日がバラ色になるはずもなく。
片想いは恋じゃない、とあたしは思っている。
だって楽しくないじゃん。
恋に悩むのは実りある痛みだろうけど、今のあたしのこれは果たしてどうなんだと、この混乱はただ自分を見失っている無駄な時間なのではないかと、ついつい投げ出したくなる。
あたしを「好き」って言ってくれればいつまでも待つのになあ。
これでもね、「こんなこと考えてます」ってふうに長いメールをしそうになるのを、ブログに書くことで我慢してたりするのさ。
逢いたいなあ、話したいなあと焦がれていても、いざ逢うと何も話せなかったりする自分も、よく知ってるしさ。
つまり、あたしの片想いは、「逢いたい」って伝えるのが精一杯の限界らしい。
その先どうすればいいか、人の相談事に答えられるくらいの知識だけはあるんだけど、自分の行動や感情となると、今すぐ歌舞伎の舞台に上がって忠臣蔵を演じてみろと言われるようなもんで、おろおろしてしまう。
ああもう、誰かさっさとあたしをこの混乱から救い出してくれないものかと、SOSを発信し続けているのだけど、みんな「忙しくて助けられない」のだ。
つまらん。
- 2008/12/17(水) 15:38:38|
- 雑感
-
| trackback:0
-
| comment:4
片思いって 苦しくて 逃げたくなったりで辛いですね‥
忙しい 心を亡くす
忙しいくて 心亡くなってしまえたら 楽だろうなぁと思い あれやこれややっても
亡くなりゃあしないし
想いが通じたと感じても 上手くいかなかったり…
でも 好き
好きなら 成るよう成ります!
だって 好きなんだもん
- 2008/12/17(水) 22:15:06 |
- URL |
- テルコ #-
- [ edit]
ぼくも片思いみたいなものですよ。相方は忙しくて疲れているのであってくれませんもの。たまーにしか。つまらないし切ないし苦しいですよ。
会わなくても大丈夫って言われましたもん(笑)
「大丈夫じゃねーよ」って思ったけど、おれ年上だし、確かに疲れているだろうし、我慢しています(>_<)
そこで編み出したのが、
「気持ちの分散」です。分散という表現が正しいのかどうかはわかりませんが、いろんな人(もちろん異性)を少しだけ好きになることによって、会えないサミシサを紛らわすというテクニックです…
最大のポイントは相手に指一本触れない、触れさせないこと。
もしかしたらこのひとのこと彼女よりも好きになるかもしれないってくらい本気で、勝手に(笑)強く思うんです。三人くらいになんちゃって片思いすれば、不思議と楽になりますよ。
基本つらいのは変わらないですけどね。いくらか紛れてます。この方法で。
笑わないで下さい。ホントにやってるんですから。
一応付き合っている状態の僕は前川さんと同じ立場であるとは言えませんよねぇ…でも分かちあえてる気がしています。
- 2008/12/17(水) 22:48:38 |
- URL |
- じゅん #-
- [ edit]
>テルコ
人の心は力ずくや計算では動かせないからね。自分のこういう状態も含めて。
>じゅんさん
「なんちゃって」ができないタイプの人には、片想いの苛立ちが分散させた分倍増するだけじゃありませんか 笑
まあ、大丈夫です。
基本あんまり思い詰めるタイプじゃないので、ただぼんやりと「ちぇっ、好きだなー、構ってもらえなくてつまらんなー」とか思って不貞腐れてたりしますけど、さすがに恋愛メインで生活できませんから、今日のお天気はどうだろう?って思うのと同レベルです 笑
- 2008/12/18(木) 12:28:50 |
- URL |
- まえかわ #-
- [ edit]