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仕事部屋

愛のゆくえ。

親方と一緒に家を出て、親方はリハ、あたしは買い物。リハ終わりで合流して、食事してお茶して、本番前の長い時間を『図解ヘリコプター』を読みながらうだうだ過ごす。
ああ、ヘリコプターを操縦したい。

JPB、相変わらずとても面白い。それでもまた格別に面白いステージだった。三上さんの新しいSGが素敵。親方の新しいベースとよく合う気がします。十年やってて少しも芯がぶれないって、やっぱりすごいことですね、寅蔵さん。

ご機嫌になって親方にあれこれ。
考えてみたら、あたしはもう二十年近く、ベースだけは親方の音しか知らない。
音楽をやっている人は昔から割と近くにいたし色んな恋をすることで色んな音を知ったけれど、ベースの音だけは何故か親方の弾くそれたった一つで、それ以上やそれ以外がない。
知り合う前から一番好きな音だし、結婚してからもやっぱり一番好きな音だし、もしかしたらこれからもずっとそうなんだろう。
あたしの人生でたった一人のベーシストなんて、なんだかかっこいい。
あれこれのあるあたしだからこそ、なかなかスゴいことだとも思う。

そうやって話しているうち、話題がボーイフレンドのことになって、親方とラーメン啜りながらあれこれ。
あたしがボーイフレンドのことを書き散らしているせいか、着々とそういう事情は浸透しつつあり、案の定、親方の胸中を心配する声が続々寄せられているらしい。もちろん、あたしのボーイフレンドに近しい人は、彼の胸中を心配しているだろうし。今のところ、誰からも心配されていないのはあたしだけだと思う。

こと親族の方からすれば「あの嫁はなんなのだ」というお怒り、ご尤も。
結婚三年目で親方の両親とは一度しか会ったことがない嫁となれば、尚更。不快に感じることも多いだろうと思う。そういうことが念頭にないわけではないのだけれど。

職業の特殊、性質の特殊、環境の特殊、関係の特殊と、言い訳はいくらでも思いつくし、言い訳する誠意が必要なときには迷わずそうする。
しかしながら今のところ言い訳をする必要も感じず、自分の心境や現実的な状況を、親方以外の人に報告する必要もなく、言葉で整理しなければならないほど複雑な事情もない。
願わくば、こんな嫁をもらったあなたの親族をどうか軽蔑しないでいて下さい、と思う。
得体の知れぬ嫁の書き散らすブログなどを信じるより、あなたの親族である私の夫のことを信じてあげてください。

あたしはあたしの中の正しいことを信じており、その正しさが必要な人に届いていることを信じており、それで充分だ。

もちろん、あれこれを心配してくれる人がいることはとても有り難く、とても申し訳ない気持ちになったりもする。それでもやはり、厚かましい開き直りに見えるのを承知で、申し訳ないようなことは一つもないと答えるしかない。

ネットする環境じゃないところできっちり守るべき暮らしを持っている親方の両親に、わざわざ「あんたんとこの嫁はネットのブログとやらでこんなこと書いてる」と教えて下さる心情に困惑する。
確かにあたしには配慮がない。そもそも、これまでもこれからも配慮するつもりがない。
が、あなたにもそんなことをわざわざ知らされる彼らへの配慮はないわけで、あたしにしてみれば世の中にはそういう人がいるんだと承知してはいても、そういう人を想定してこういうことはやっていられない。

もちろん、むやみに誤解を受けて嫌われたいわけでもないし、夫の親族には当たらず触らずで、夫の面子のためにもちゃんとした嫁でいたいと思う。
が、世の中にいるこういう人のためにそれらの心が折り合わないことは、何も今が始めてではないし、正直言えば面倒臭いから、それはそれでいいんじゃないかと思うし、へえーどこにもいるんだねそういう人がと面白くも感じるので苦痛はない。

その昔は、ブログなんてものがなくて、ただ目にする状況だけで、同じことをする人がいた。
そういう人はそういう人で、本当にそれを善意の表れだと思っていたりするし、よりよい状況になるよう力を貸したつもりになっていたりもする。決して、それらが善意として伝わることも、それによってよりよい状況になることもあり得ないということには想像が及ばない。

いっそ、実はあたしがDV被害者であるとか、親方に隠し子がいるとか、パチスロにはまってサラ金に追いかけられているとか、ものすごいことをブログに書いてみようかと。
そういうことにも、ちゃんと善意で反応するんだろうか、こういう人は。

げんなりするんだったら、わざわざ読まなきゃいいだけのこと。
つうかブログじゃなくて本買って読んでくれ。
相手が誰であっても、やはり私はそう言い続ける。
感想には誠実な対応を心がけ、書く姿勢は愚直であることを心がけ、書かれる内容は事実を損なわないよう心がける。
極めて単純かつ困難なことだが、それが基本だ。

たとえば、あたしが何故、ボーイフレンドである彼を想うか。
あたしにとって親方がどういう存在であるか。
それらにはこの上なく明確な回答があるのだが、それをここには書かない。
書かないからといって、あたしがそれを見失うこともない。

想うこと全部をいちいち言葉にしてたら、作家なんてみんな心がからっぽになってしまう。

あなたは常にあたしから排泄された汚物のような言葉を貪り拾っているだけなのだ。
だから、金払って本買って読めと。
その上で「あんたんとこの嫁は、こんな怪しげな出版社でこんな小説を書いてる」と言えと。

まあ、結局のところ、あたしにはそんな突っ張り方しかできない。
  1. 2007/03/31(土) 12:06:35|
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