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仕事部屋

この本は、横組みでやったらよかったんじゃないかと思う。
人気のあるケータイ小説に描かれているような、教室からはちょっとだけはみ出しちゃってるんだけど学校には行くし家族も優しいし、って子たちの恋愛まみれの日々よりずっと壮快、永ちゃんみたいにオトナになってから振り返ってぽつぽつ語るのもかっこいいし、お前まだ自分語りしてもかっこつかねえよとは思うけどね、まだどこにも辿り着いていない、道の真ん中に立って叫んでる感じのリアルタイムな力があります。

オトナになっちゃったらもう頷けないし、といって「アホくさ」と切り捨てることは尚できない。問題意識云々じゃなく、もっと切実な、生きることに関しての共闘意識ではちゃんと通じてるから。
色恋を語ってないのもいいんだね、誠実な人なんだろう、だってこの人まだ26歳だよ、50になったら猛烈にイイ男になるんだろうなあ。

中学に入ったとき、外部の公立中学から来た、つまり嬢ちゃん育ちのあたしなんかが全然知らなかったタイプの男の子に貸してもらって読んだ「男一匹ガキ大将」に猛烈な影響を受けて、「おお、俺も喧嘩してえ」「俺も株やって稼ぎてえ」とか思った、本気で。
あたしの中の万吉が目覚めた瞬間ね、それ。
万吉は今もときどき片瞼持ち上げて「筋通せや、こら」とか言う。

いや、なんでかわかんないけど基本ニッポンジンはみんなヤンキーでさ、ヤンキーのセンスってのは黒人のセンスとほぼ同じなわけでさ、なんだかんだ言っても、その源流みたいなもんに対してはちょっと暖かい目を向けちゃったりするところ、あるんじゃないですか。
それらをバカにするのは、みんな自分の中にあるダサいとこを突つかれて、ダサくなく生きてこうとしてる自分が危うくなるからでさ。どうせ俺らなんか格好良くなれねえべ、だったら俺らにできる格好良さでいんじゃね?って開き直りに、やな気持ちにさせられるだけでしょ。
理解できないとか言いつつ、みんな結局暖かいじゃん、ヤンキーに向ける目は 笑

まともに学校行って、親に養われながらうかうか恋愛ばっかしてる坊ちゃん嬢ちゃんに読ませないと、こういうの。
這いつくばって生きてる連中をDQNと呼んで「ばっかじゃねえの」と嗤う綺麗な顔して汚いことする彼らより、よっぽど頭が回ってるし、自分が見えてるだろうよ。
こういうところ(地域や環境ってことじゃなく、若者に支持されるポジションとしての「こういうところ」ね)にいる奴の声は、リアルで時代を共有している同世代こそが真摯に受け止めなくちゃいかんだろうと。だから、横組み。

痛みの作文痛みの作文
(2008/02)
アナーキー

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歯を食いしばり過ぎて顎が痛いのは、別にこの本のせいじゃあない。
考え事したり原稿書いたり本読んだり、つまり頭が動いてるときに、無意識に歯を食いしばってるせいで、寝てるときの歯ぎしりもひどい。
歯を食いしばるのはストレス環境下にあるってことらしいですけども。
顎の噛み合わせんとこの筋肉がゴリゴリなので、ほっぺに磁気チップみたいなの貼ってます。
もう十八時間くらいずっと本読んでるからもちろん肩凝りもひどいんだけど、顎の痛みで頭ががんがんして肩凝りより辛い、痛くて眠れないし、吐き気がしてくる。

  1. 2008/08/05(火) 11:08:20|
  2. 雑感
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