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仕事部屋

部屋の南側がベランダで、北に玄関があるので、日中は大概両方を少しずつ開け放して風を通している。玄関のドアは十五センチほどを開けているので、廊下から覗こうと思えば覗けるのだが、日中に同じフロアの住民が出入りすることは滅多になく、オートロックのマンションなのでむやみに宅配便なども来ない。
で、うっかりそのまんま昼寝してたりする。ついつい夜半まで寝ていることもある。

半分夢うつつに気がつくと、廊下を歩く足音が聞こえた。時計を見ると一時。多分深夜だなと、気配で察した。ずいぶんと眠り込んでいたのだ。足音は廊下を延々と行き来している様子。なんだろな、ドア開けてたな、閉めなきゃな、と身体を起こして玄関に行くと、ドアの内側チェーンロックの部分に、食器の洗いカゴがぶら下がっていてぎょっとした。自分がそんなややこしいことをした覚えはない。廊下を行きつ戻りつしている足音がすぐ前を通る。人影は見えない。かなりヤバい感じがする。ドアを閉めるにはぶら下げられているややこしいものを外さなければならず、それを外すにはかなりガチャガチャと音を立てねばならないだろう。その音に気づいて、廊下で様子を伺っているとも取れる誰かが、駆けつけて来て押し入ってくるんじゃないか。そう考えて、ややこしいものを取り外さずに、そうっとベッドに戻る。しかし、ドアの内側にややこしいものがあるってことは、すでに誰かがこの部屋に侵入したってことだよなあ、あたしがうっかり眠っているうちに。ものすごくヤバい感じがしてきて、iPhoneを片手に近所の友人に来てもらおうとメールフォームを開く。と、部屋の天井の一角、ベッドの枕元の真上が、四角く切り開けられているのに気づいた。叫びそうになる。天井から侵入したのかもしれない。んで、あのドアんとこのややこしいもの、ってことは、今この部屋に誰かがいるってことじゃないのか。恐ろしくて身体が震えた。メールなど打っていられない。心臓がばくばく跳ね、脂汗が滲んでくるのに、頭の芯だけが妙に冷たく冴えている。110番しようと必死にiPhoneを操作するが、思うようにかからない。ぎょろぎょろと部屋を見渡し、時計を見る。八時。八時って朝?夜?…八時???…ってところで目が覚めた。

ものすごく怖い夢だった。
で、実際は夕方の五時だった。
ってことを確認するまでに、十分くらいかかった。
しかも、ほんとにiPhoneを手にしていて、着信履歴の一番上の番号が表示されていた。
けど、発信履歴はなかったから、実際には発信していなかったと思うけど。
すぐに、玄関ドアを閉めた。天井も確かめた。
部屋には熟睡して四肢をひくつかせている犬しかいない。
腹立たしくて揺さぶり起こしたが、犬はまたすぐに眠りに落ちて行った。

三年に一回くらい、強烈な悪夢を見るんだよなあ。
今回は、夢の中の自分がリアルな状況から目覚めてると思ってるってのが、ちょっと新しかった。
ついこないだ、駅の階段ですれ違い様に突き飛ばされたから、その瞬間に感じた死の予測と悪意の恐怖が、夢になったんだろうけど。

ほんとに、ものすごく怖い夢だった。
  1. 2009/11/17(火) 04:52:44|
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