最後の通し稽古だった月曜に稽古場のセットと道具を積み込みんで夜のうちに劇場に搬入していたらしいので、夕方に顔を出したときにはすっかり片付いていた余裕の劇場入り、今回が舞台監督デビューとなった小形を内野とナツコがせっせと手伝っていた、デビュー戦に助手がいるなんて恵まれ過ぎなんじゃないか。
今回、美術セットは台所だけあって水がメイン、仕掛けの確認したら後は何も心配がない、照明もオペの藤原さんが一生懸命に練習していたし、鵺的の本チラシも完成して折り込まれていたし、仕上がりが遅れていた音楽は熊ちゃんがコヤに来てその場でmacをあれこれいじって作り直したりしていたけれど、こちらはすっかり手持ち無沙汰、3時間ばかりぶらぶらしてさっさと引き上げた。
セットの全貌は劇場でのお楽しみ、これはその一部で、帆太郎が龍さんの代役をしているところ。昨夜皆がせっせと搬入している頃、私は稽古場から勝呂くんを付き合わせて帰宅、荷造りの手伝いをして貰ってゆるゆると引越準備を開始、というのも梱包資材を注文したら本棚一つ分くらいの段ボールが届いてしまって、ある程度のものを室内から運び出さないと荷造りすらできない状態、起きて半畳寝て一畳と言うけれど、帆太郎と2人、ベッドの上とデスク前の椅子にしか居場所がない部屋での生活はしんどい、それが特に劇場入りのタイミングで本番を控えているとなると不便てだけじゃな済まないストレスなので、椅子や箱や雑貨、この2週間に出番のなさそうな靴を大雑把に荷造りして、勝呂くんが荷物部屋に往復すること5回ほどで、ようやく荷造りスペースを確保した次第。
今朝はぐずぐずと起きて仕込み作業時の天気を確認し、レンタカーの手配やらプロバイダーの申込やら管理人への連絡やらをしてから、雑貨類の一部を箱詰めしてからのんびりとコヤ入り。
帰ってからも、コインランドリーを往復する合間に雑貨類を荷造り、すでに中身の詰まった段ボールは10個を超える。
せめて月末ならゆとりがあったのだけど、家賃の締め日に合わせたかったので強行スケジュール、千秋楽の翌日に荷造り人員をお願いして梱包、翌土日はワークショップ、月曜にレンタカーで引越という算段、火曜には現住居の掃除と鍵の受け渡し、水曜は小説教室の新学期なので、荷解きの暇もなさそうだけど、そのタイミングしかないのだから仕方ない。
事務所仕様の現住居の台所には最小限の道具しかないので、これもまた買い揃えなければならないし、荷物部屋のものを運び込んできっちり収納するには多少の収納用品も必要になる、いかんせん冷蔵庫も洗濯機もベッドも買わなければと初めての1人暮らし同然、いつもの引越プランなら数日かけてあらゆる物を整理して手入れして処分して、引越がちょうど良い整頓になったものだけど、今回はそうもいかない、広くなるとはいえ物を運び込めばまた同じサイズ感になっちゃうんだろうなあとは思うけれど、全部持って行って向こうで整理する覚悟、身軽になるのはなかなか難しい。
実は、新居はスペース早稲田から頑張れば徒歩圏内というエリア、劇場入りする前に引っ越していれば公演中に続くであろう深酒の日々もどれほどか楽だったろうに、自由業で破産歴のあるみなしごという三重苦によって契約に手間取ってそうは問屋が卸さなかった、最初に気に入って申込をした物件はそれらの悪条件で保証会社の審査に通らなかったので諦め、管理会社なしで大家さんと仲介の不動産屋のみ保証人不要という物件を見つけ出してようやく借りられるそこは、建物の見た目も様々な問題を抱えて生きる人々のワールドアパートメントな風情で、恵比寿・広尾という不動産屋では「女性に人気!」と謳われるエリアの小綺麗で安全なマンションを出て人生航海といった感。
今回の芝居、台所ってのは生活の真ん中にあるもんだ、という龍さんの台詞があるのだけど、引越先の部屋は昭和35年に建てられた木造アパートをリフォームした部屋で、玄関を開けるといきなり台所、部屋のど真ん中に台所があるという間取りなので、暮らし易いに違いない、必要なものはあれこれあるけれど、きっと結局は台所道具から揃えてしまうんだろうなあ。
などとついつい引越に気を取られてしまうのだけど、明日は場当たりと代役ゲネ、明後日に本役でゲネやったらもう初日、少しは立つときの緊張感思い出しておかないと、ってまあ昔から緊張することなどないのだが。
【台所純情】、ご予約承っております。お天気が不安定な今週ですが、どうぞ劇場にお足運び戴けますよう。
- 2011/05/11(水) 02:38:33|
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