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仕事部屋

散るも花、枯れるも花。

サボりぐせがついてブログもすっかりこんなんだけど、唐突に小説が書きたくなっておハコもまとめず思いつくままに書き出してみたりはする、日々ネタの宝庫で働いているのでちょいちょい断片は浮かんで、どうやってまとめようかとじっくり練る時間だけがない、しかしそもそもがじっくり練り上げるなんてやり方が苦手なタイプで、ネタのストックと放置とインプットをランダムに繰り返すうちひょんなキイが見つかって自動的に組み立つような按配がいつもなので、まあこんなものか。

9月「(仮)の事情」は佃さんにお任せで脱稿の報せを心待ちにするだけだが、11月に龍昇企画で久々に台本を書く、奇遇にも龍さんの会社は自転車で10分の距離、これまで数度の打ち合わせでプロデューサーの龍さんと演出の塩野谷さん、私の3人がそれぞれ候補を並べ地道にキャスティングを重ねていた、次回打ち合わせはいつと日程を決めたら届いたメールに「顔合わせのご案内」とあって密かに焦る、アテ書きするんでキャストが揃ったら宴席を一度、というのが新作台本の時のお約束ではあるのだがまだ半年もある。

最近観た映画では「100円の恋」にグッときた、小説では平山夢明の「デブを捨てに」、ノンフィクションでは本橋信宏の円山町のやつ、演劇は拙者ムニエルの6年ぶりの公演が初見でかなりシビれた、グッとくるって感覚は内側の何かを刺激されてモヤモヤとアイドリング状態になるってことで、インプットし続けてこのモヤモヤしたアイドリング状態を保っていくことが唯一の努力になる、実際に書くのは単純な労力だから、努力と労力の間に辛うじて挟み込まれるのがセンスか、台本も小説も書いて出来上がりとはいかなくて、推敲したり改訂したりの作業がある、ここに必要なのが技術だなあともう丸2カ月担当から放置されている原稿を待つ身がしみじみ実感、私には技術を身につける勉強が欠けているのかもしれない。


3度目の朗読『痴話』は5月31日、相変わらずの限定40席で、1日から予約の受付が始まります。
今度は新谷さんと役どころを交代するのだけど「やった!存分に遊べる!」と真弓嬢、前回も充分に遊んでたと思うのだがそれ以上の爆発が期待できそう、「(仮)の事情」が阿部定を題材にした作品なので予習もしくは序章としての『痴話』企画だが、佃さんのホンの1ページ目の配役表には「阿部定…寺十吾」とあるので、私が定をやるのは今度の朗読『痴話』が16年ぶりにして最後になるやも。

詳細・ご予約はコチラ→ 朗読『痴話』vol.3


職場では時給アップを交渉中、日常では新しいことの準備に雑務急増、デビュー作と2作目を担当してくれた出版部のK女史が過日に亡くなっていたことをつい数日前にWEB情報で知って愕然、訃報が届かないくらい無沙汰をしてしまっていた。

Kさんずっと忙しい日々でしたね、初対面の時に「マエカワさんのお芝居を学生時代に観てます」と言って下さったのが見知らぬ世界に飛び込んだばかりの私にはとても嬉しかった、素晴らしいお仕事がたくさん生き続けています、どうかゆっくり休んでください。
木村由花さんのお仕事

ずっと昔、ばったり出会した佐藤信さんが「俺はもうあと10本だと思ってるんだ」と言った、それから信さんはゲンさんを見送りハルさんを見送り、まだまだやっている、振り返るのをやめて真っ直ぐに先だけを見るのは決して若さなんかじゃなくて、生きることを知る方法として老いていく、そう長い間ではなくとも人生の花見はきっとその時なんだろう、枯れることや散ることを恐れて咲かない花などない。


  1. 2015/04/29(水) 05:06:16|
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