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仕事部屋

それからわたしたちの犬は

階段を昇ることを会得し、日中は保育園と呼ばれる娘の部屋で遊ぶようになった。
段取りに手間取ってお膳立てがうまくいかない上に指示が不明確で合図がぶれる亭主の言うことはまるで利かないが、私や娘の指示には概ね従うので、やはり躾は合図とお膳立てがすべてなのだろう。

初郎は大晦日から生後5ヶ月目に入り、小3男子っぽくなった。
知恵のつく速度は2歳児など到底及ばない。
弟ができたつもりが一足飛びにお兄ちゃんぽくなられて、2歳児は世話焼きを諦め、すでにマイペースを取り戻した。

年末は夫婦とも29日が仕事納めで、30日と大晦日に突貫の大掃除をして、なんとか無事に一年を終えた。
亭主の実家には帰らなかった。いつも支えてもらっているのに1年に1度しか顔を見せない不義理だが、今年は家にいたかった。
去年は犬息子を連れて行ったので、写真が残っててよかった、と義母が言ってくれた。

そもそも1月3日は母の命日で、母を亡くしてからは正月を正月らしく過ごさなくなった。
初詣にも行ったり行かなかったりだし、年賀状は出さない。

小説を書いていたときは、1週間以上部屋にこもって原稿を書いたし、年末進行さえ乗り切ればただただ休日としてのんびり過ごせる唯一の時期でもあった。
芝居をしているときは、毎年三ヶ日のどこかでワークショップの人たちが年始に寄ってくれた。
帰省しない連中が酒や料理を持ち寄ってくれたりお節料理の差し入れを戴いたりで、
正月気分はまるでなかったが、引きこもって作業し続ける中に賑やかに過ごす日ががつんとあって、それが年始という実感になっていた。

今年は犬と一緒にだらりだらりと過ごした。
小3男子は夜10時を過ぎると眠たくなってしまい、朝はきちっと8時に起きる。
寝るときと起きたときには帆太郎の写真に声をかけ、
あとは初郎のトイレや散歩のトレーニングにかかりっきりだった。
かつて帆太郎がきた当初も、毎日の散歩でどれほど健康的な生活に切り替わったことか。

〆切と稽古入りと千秋楽で区切りをつけて生活していた頃に比べ、サラリーマンの生活にはこれという区切りがない。
年度末といわれるそれも、私の業務にはあまり影響がないからだ。
気がつけば今の事務所に入社して1年と3ヶ月。
この正月休みで、初めて、仕事のことを頭から締め出して過ごすことができた気がする。
明日から出勤するのだけど同僚の名前を覚えているかしら。


また一年が始まる。
これからの一年でも、きっとまた誰かを失うんだろう。
そういう年齢だと諦めて、もっと穏やかに、もっと誠実に、「どうしようもない」の美学を実践できるようになりたい。
  1. 2020/01/05(日) 21:59:26|
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