たまの作家稼業に蝕まれたのか未来を覆う放射能のせいなのか、体調悪化で丸2日の検査入院、血を採られると頭がぼんやりするので本を開いてもすぐにうとうとしてしまう、妄想と夢の合間にトンボやらミミズやら、不意の入院は先々のことを考えさせられて凹む、救いなどないまま信じる力が尽きるまで、点滴の針の痛みにぽろぽろ泣きながら年初に入院したばかりなのにとまた不安が渦巻いての不貞寝、このまま出られなかったらきっと全部消えてなくなるんだろうとうっすらの悲観などもしてみたり、闇雲な人生がいつまでも続かないことわかっているから焦るのか、焦っているつもりはないけれどやっぱりちょっと焦ってるんだろう、身内もなく墓もなく、いっそ誰も知らないどこかで野垂れ死んだ方が諦めがつくだろうに、独りでいたがるくせに何を欲しがっているんだろう、もやもやと緩い思考のまどろみを断ち切るように起き上がってベッドを机に原稿作業、合間にこそこそ日報、空に円を描く死闘がどこに辿り着くのか見届けることを楽しみにこちらは日常的な格闘、他人の弱音に奮起するくせに励ましの類いは受けるのも送るのも照れ臭くて苦手、ちゃっかり脱稿して回線拝借しての送信、明日の打ち合わせ確認して業務終えた途端ぽっかり淋しくなる、同志でいられることが何よりではあるけれど、痛みに触れる時間を分け合えないのはやっぱりどこか欠けた感じ、それでも溺れる日々にありながらまだ飲んでくれるものがあってそれもぼちぼち限界だろうとは気づいている、甘え方も甘えさせ方も下手っぴでいつまでも寄りかかれない、それすら鏡に映してまた先の闘いに血走るばかり、血を分け合うような恋をしたいと望む自分を嫌うせいか、結局今も臆病についっと留る指先を見つけられずに羽がもげるまでぐるぐる飛んで、まるで画にならねえなと目を伏せる、空に向かって突き立てる指一本があれば、指一本だけ頂戴よと泣いてる鼻の頭についっと飛んでこないものか、何処にいるのかわからない、自分を見失う感覚は場所が違っているだけですっかり同じじゃないか、もしもこのまま私が先に逝ってしまったらあなたはきっと泣けない、無論どこにも逝かないけれど、それは約束するけれど、どうせ信じちゃくれないんだろう、何故計るのか探るのか何故何も決められないのか、きっと人はみんな明日なんか信じてないんだろう、指切りできない指なんて切り落としてしまえ。
- 2011/09/27(火) 17:09:02|
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