吉岡の受賞及び、ホンダユーイチの脚本がベストテンにランクイン、そして寄稿した〈女優・林由美香〉の特別賞がありがたい。
まあ、すっかり悶々と恋心について頭を使っておりますですよ。
この、微妙に湧いている恋心の、どこをどうひねればネタになるかと、あれこれいじくり回すうち、どこか褪せて現実で使い物にならなくなるのが常でございます。
因果な仕事よのう。
そもそも人妻の恋は制約が多い。
相手にとって、セックスの他に旨味があるもんだろうか。
ほんとに心底惚れてくれていたら、そんな配慮は必要ないのだが、そうであればあったで、こちらが及び腰になるんじゃないかとも思うし。
旨味のない恋愛のくせに、制約がたくさんあって、七面倒くさい。
自分が逆の立場で経験したことから、そう定義しているだけなのだけど。
幸いにも、あたしは愛人向きの体質だったらしく、自分がそっち側にいるときにはなんの苦も感じなかったのだけど、今振り返れば、恋愛としては不毛だったようにも思う。
あたしを愛人にしてくれていた人がこれを読んでしまったときのために言い訳を書き足すと、あなたを好きになったことに後悔はなく、実りのある結びつきを持てたことに深く感謝しているし、変わらず尊敬しているし、今のあたしがあるのは、あのときの恋があってのことだと感じています、ということなのだけど。何が不毛って、労力がね。
確かにあたしはしんどい思いなんぞしてはいなかったのだけど、恐らく、やむを得ずに愛人をやっている世の中の多くの人には、あれこれの労力がしんどかろうと。
かつて人妻でありながら恋人を持ったときには、「付き合ってください」と言われた。「あたしと付き合うの、しんどいですよ」と答え、「しんどくなったら、やめますから」と言うので始めたのだったが、案の定、しんどくなったらしく、しまいには逃げ出された。立ち直りに時間がかかったので、そんなのはもうやだ。しかも、あたしはその頃よりうんと気力と体力が衰えているのだから、もしも今そんなことになったら相当に甚大なダメージを被るだろう。いかんせん、そういうことを始めるだけの気力と体力があるやもわからない。
などなどから、将来有望な好青年の大切な人生の一部を、身勝手な恋心による不毛な結びつきによってすり減らしたくはない、などと大人ぶる。
結局、大人ぶってるだけなのだけど、ぶれるうちはぶっとく。
大人でいられなくなったら、どうするか。
そりゃ、走って逃げるのさ。
そんで、あとからこそこそネタだけ拾いに戻るのさ。
- 2007/03/12(月) 02:10:29|
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