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仕事部屋

そりゃそうだろうとも思うのだが、blog記事を読んだ身内からは続々と私と親方の夫婦関係を心配する声が寄せられている。
親方自身はこれくらいの記事で動揺しない図太さを持ち合わせているし、親方を動揺させるような出来事も特にないので、夫婦はいたって平穏に=いつも通りに暮らしているのだけど。

夫とはいえデートは申し込み先着順、何も話さなければ何も知り得ない、つまるところは自分ではない誰か=他人と思えば、どれほど見知っても、判り合うことに限界がある。

そもそも、人は判り合えない。
というところの共通認識があるお陰か、私たち夫婦はお互いによく喋る。
私が言葉数を気にせずに話せる相手は親方と親友と弟子なのだが、三年一緒に暮らしていて、未だ毎日他愛もないことで三往復も四往復もメールのやり取りをするのは親方だけだし、酔って上機嫌にデートから帰ってあれこれを話して聞かせる相手もまずは親方だ。私に男の子とのデートが増えてくると、互いの予定を把握している親方は、割と要領よく休みを取ってデートを申し込んでくれる。

だからって通じ合うわけでは決してないだろうとも思っている。
ただ、関心を持ち続けること、関わり続けることが、夫婦には必要なんだろうと思う。
もちろん、その形には様々なものがあるだろうけれど、こんなことがあってこんなことを思った、というような単純な情報を共有できることは、割と重要なんじゃないか。
単純にいえば、関わり合おうとする意思ってことだろうと思う。

「私は嘘をつくのが下手だし、隠し事が苦手だ。」…という一説の真実がどうであるかは、私の主観とはまた別に、友人たちからの評価によって決められることだ。
但し、私は小説家なので、同様のことを「私は嘘をつくのが下手だし、隠し事が苦手だ、という嘘をつく。」と書いて、読者を得る。これもまた、そこに真実があるかどうかは読者が思い思いに感じ取ればいい。

かつて、ネット上に書くあれやこれやにいちいち反応されて書くことにも恋をすることにも不自由を感じたことがあったから、その後に、ネット上に書くあれやこれやが基本になる「公開恋愛」を試みたりもしたけれど、その中で学習したのは、人は他人の真実を見抜けないということだった。

私がどういう人であるのか。
そのことは常に私に相対する人の中にしか存在し得ないことなわけで、私は私に相対することが不可能なわけで、つまるところは私の知る私など、テレビの画面に映る人を見知った気になるその程度のことでしかないと感じている。
人の思う自分がどうであれ自分の思う自分こそが本当の自分であるという考えに他人とのコミュニケーションを阻まれていた時期、そうと気づいて解消した。
つまるところ、「ほんとのわたし」など存在しない。
自分自身など結局のところ誰かの価値観の中にしか存在しないのだと思うことが、今の私の基本になっていると思う。
てことは他人と向き合ったり関わり合ったりするしか、自分を知る手段はない。

どこかの男の子にとって「一回はヤッてみたい人妻」だったり「いつまでも関わりを持っていたい女性」だったり「説教臭いおばさん」であったりする私のことを、親方もまた、「どこかの男の子にそんなふうに思われているだろううちの奥さん」くらいには認識しているだろうし、そうと認識しておいて欲しいから、そうと知らせる。
多分、そんな仕組み。
そこでいちいち勘ぐったり嫉妬したりしてたら、あっという間に親方は、私のことを見失ってしまうに違いない。

そう考えると、私の存在の確かさは、親方の図太い心の上にようやくあり得るんだなあ。
自分でもなかなか筋道立てられないこういう理屈を、多分もっと単純に直感的に捉えて受け入れてくれている、もしくはそもそも共通した感覚を持っているってところに、揺るがない信頼がある。

なんつっても、他に行くときゃ行くし、行かないときゃ行かないんだけどさ。

そんな親方のDRIffSHOESは土曜。

3/17 sat @ 渋谷WastedTime 03-3461-8383
18:30 open,19:00 start / 21:00 on stage
adv. 1500yen+2order / door.1700yen+2order
booking: RIE/CALA獅子/小林未郁/DRIffSHOES
ご予約は office@driffshoes.com までメールにてお名前と人数をお知らせください。
当日受付にて予約料金でのご精算を致します。

Drsが入ってずいぶんロックな感じだそうですよ。
小林未郁ちゃんとはこないだ飲んだ。並みならぬ強さを感じさせる女の子だったので、どんな歌が聴けるのか、楽しみ。

ああ、あたしは理屈から解放されたくて音楽に惹かれるのかもね。
  1. 2007/03/15(木) 14:30:32|
  2. 雑感
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<<それぞれの興奮。

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