日頃からこそこそとお腹に溜め込んでいる不安袋に、ちいさな孔が穿たれて、しゅうしゅうと洩れ出した。
何をしていても薄ら黴たような不安が立ち昇って涙目に咳き込む。
深い愛情と強靭な意思と確かな技術のあるそれを間近にして、敵わんなあと逃げ腰になる。
いつものことなのだけど、今は逃げられない、避けられないと思うほど、しゃがみ込んで泣き出したくなりもする。
あれやこれやを面白がるくせに何一つまともに取り組めない。
随まで絞る覚悟が微塵もない。
大きな好機は度々与えられるのに、そういう性質が祟って無駄にしてしまう。
よくよくわかっていて、なんとかしようと足掻いているけれど、恐怖に太刀打ちできない。
誰も助けてくれない。
誰にも助けて欲しくない。
なのに「助けて」と今も叫び出したい。
心優しい誰かに泣きついて不安のありったけを吐き出せば、そのときは救われるだろう。
赦されて、気丈を取り戻して、また歩けるのかもしれない。
だけど、覚束ない足取りで辿り着くところは目指せない。
いつものようにそうやって、支えてくれる人をいちいち振り返っていては、届かない。
泣きつかせてくれる人も優しくしてくれる人も弁えられる分別も欲しいけど、何より自分の足で駆け抜ける脚力が欲しい、不安の泥沼から這い上がるだけの腕力が欲しい、余計なこと全部弾き返す筋力が欲しい。
力が欲しい、なんて思ったの、初めてだけど。
こわい、こわい、怖くてたまらない。
新しい1年が始まって控えていることの全部に身が竦む。
月が昇ることも朝日を浴びることも、眠りに落ちることも覚醒することも怖い。
本当に、そんな気持ちで、毎日めそめそと泣いていたりする。
そんで、はっと時計を見上げて、顔洗って、バイトに行ったりするわけで。
そんな自分にうんざりして、俯きながら急ぎ足で駅に飲まれ、電車に乗り込めば思考が停止するわけで。
もう何一つやり過ごしたくなんかないのに。
- 2012/01/12(木) 15:39:33|
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