仕事部屋

シアワセの握力。

私は自分が人に求めるものが大きい、大き過ぎて誰か一人にそれを向けると窒息させてしまったりする、そう思うから、いつでもそれを都合よく分散させていた、分散させてうまくやっているつもりでも、本当に大切なたった一人を裏切り続けることには変わりなく、結局はいつもその後ろ暗さを積もらせて自分が息苦しくなり逃げ出してきた、「愛情の袋に孔が空いているんだ」と言われたことがあったっけ、ところが、どれだけ求めても必死に応えようとしてくれる人と出会ってみたら、私が求めることなんて本当に細やかなことだったりして、それはそうなるくらいに私が大人になれたのかもしれないけれど、多分きっと同じように孔が空いた袋に向けて求め続けているからそういうことになっているんだろうと思う、そういう加減てのは時間だの理屈だの度合いだのとは関係なく、ただ本質的なものなんじゃなかろうか。

苦しみ続けている女友達がいる、普段一緒に過ごす時間は余りなくて、ただメールのやり取りで親しみを増した類いの、かつて人生相談のサイトをやっていた頃やブルハブログでよくあった類いの、リアルに比べれば浅い関わりの女友達だけれど、その事柄だけで通じる濃密さだってちゃんとある、彼女はシアワセになりたいのに、少しもシアワセじゃないそれを手放せない、少しも満たされていないのに、それを求め続ける、彼女は純粋に自分の欲求を口にするけれど女は身体があるからややこしい、人のココロは移ろうよ、人のココロを思うままには動かせないよと、私は繰り返し言うのだけれど、彼女に必要なのは、シアワセにしてくれる何かで、シアワセに近づく為の方程式なんかじゃない、多分もっと楽をしてシアワセになりたいんだろう、それを握りしめているうちはシアワセを掴むことはできないと思うよと言う私は、彼女の役に立たなかった、掌は開けておかなくちゃ、グーじゃなくてパーがいいよ、シアワセの青い鳥とはよくいったもんで、力任せに握りしめたら壊れてしまうものもあるよ、あなたはそれが嬉しくて思い切り握りしめてしまったんだね、いつか別の命になって飛べるように土に還してあげなきゃいけないよ、生きていようが死んでいようが命は誰かのものにはならない、イノチとかタマシイとかココロなんてものは、ふわふわと空中を漂って初めてイノチとかタマシイとかココロであり続けるんだと思う、人生が予想外に動くことで初めて人生であるように。

彼女は女をやめたいなんていう、女をやめられたら楽になれると信じている、そうかもしれないしそうじゃないかもしれない、やめることなんてできないからいつまでもわからない、わからないから焦がれ続ける、そうしていつまでも満たされない、ないものを欲しがるなんて浅ましいことじゃないのかと言うと、そうやっていなければ生きていけないと言う、向上心と欲求が混在してただただ地団駄を踏む、その姿は確かに浅ましくて惨めなのだけど、そこが輝きであったりもするから女は厄介だ、頑張れと思う、満たされないまま求め続けることができるならそれでいいじゃないか、握りしめたまま失わずにいられたらそれでいいんだと思う、正直言えば誰かのシアワセなんて私にはどうでもよく私はただ私の掌をいつまでも空に向けて開いているだけで、掌をくすぐる何かがあれば片目で覗いて壊さないようにじっとしている、握りしめたり追い払ったりはもうしない、誰かがその手を握りしめてくれるまで、掌はパーでいい、何より触れてくれるその手だけが欲しいんだから。

女てえのは「あなたに相応しい私」であろうとするか「私に相応しいあなた」を探し求めるかのどちらかに陥り易い、本当は「私たちに相応しいシアワセ」が欲しいだけなのに。


  1. 2012/05/01(火) 23:37:07|
  2. 雑感
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<<女について知ることのすべて。

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非公開コメントさん。

私もね、似たような状況で、死んでしまいそうに苦しくて、仕事もできなくなって、壊れかけたことがあるんです。それを失くしたくなくて必死だったんです。でも私、握力弱いから、力尽きてしまった。そうしたら、ウソみたいに呼吸を取り戻して、それだけでシアワセだったw

もちろん誰も彼もが同じだとは思わないけれど。

ただ、私は自分一人でシアワセになりたいから。
これがなきゃダメ、あれがなきゃダメって、きっとシアワセじゃないと思う。
  1. 2012/05/02(水) 02:41:18 |
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  3. まえかわ  #-
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