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仕事部屋

ヒメてハレルものなし。

大福ライブの翌日は俳優座にtsumazuki no ishi 座付作家スエさんが書き下ろした「ヒメジョオン・ハルジオン」を観に紀伊國屋ホールへ、tsumazuki「ストレンジャー彼女」と前後して書いていたと思うんだけど、LIFE&DEADスエヒロ派と名付けたくなる死生観の裏表、ご本人も最大限にエンタメを意識したと言っておられたそこには、役者に甘えず立ち上がろうとする物語の力強さが脈々、俳優座ではまだ若手であろう演出家の大冒険が活きて年寄り連中の口からエヴァンゲリオン用語がぽんぽん飛び出す可笑しさ、俳優には解釈の混乱が覗けるけれど、その透け方が大変にユーモラスで、年を取るって素敵だなあと思わせられる、若くて自分のことしか視えていない俳優もどきには到底真似の出来ないことだろう、私がこの年になってこんな挑戦できるだろうか、芝居ってのはつくづく肉体だの精神だのから未来永劫に遠いところにしか成立しないのだなあとも思った、生き様ってのはほんとに厄介なもんだ、この俳優さんは芝居やるためにどれだけ人生をダメにしてるんだって人しか素敵に視えない、といってそれらを「芝居のため」と一言でも口にすればすべて台無しになる、エンゲキ好きに巧い役者はいないという真理、それしかできない社会的にダメな人だけが最後に立っているのが真実じゃないか、ヒメハルに出会えた俳優さんたちはエンゲキ人生の宝を持てたんだと思う。

素晴らしい作品なのに客席ちょっとばかり淋しかった。
tsumazuki観そびれた方、小劇場が苦手な方は、是が非にも。
新宿の、旧い方の紀伊國屋ホールで、20日まで。


しかしやっぱりスエさんのタイトルは巧い。悔しい。


  1. 2012/05/13(日) 01:46:56|
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