仕事部屋

追い風の夜。

6日、コルセットの稽古をお休みさせて貰って新橋のTCC試写室で「愛のゆくえ(仮)」初号、今どきはフィルムじゃなくてDVDだから初号ってのはおかしいけれど、それでも初めて見るときは初号って言いたくなる、アフレコしたわけじゃないし、ラッシュがないからほんとに初めて観るのだ、平日の昼なのに続々見知った顔が集まりカズPも文洋もそわそわ落ち着かない、この日はポレポレ東中野の支配人をお招きして、上映が決まるかどうか勝負の試写でもあった、上映前に監督からの挨拶、今にもゲボしそうに緊張した顔で何やら喋りいよいよ、「へばの」でさんざ観ている「TEAM JUDAS」のクレジットに「2012」がついているのが感慨深い、一ヶ月前に撮ったばかりなのに遠い昔の記憶をなぞるような不思議な感覚で20年ぶりにスクリーンの自分を観た、こんな場面あったっけ、こんな台詞喋ったっけってくらいの別物になるのが映画の良いところだな、40代の男女が主人公の映画ってないよね、これいい企画だよねシブいよねと撮影中に盛り上がっていたスタッフ陣、観終わって「シブ過ぎる」と笑っていた、なんせ今どき白黒映画、元ネタはオウムの平田容疑者の出頭、奇しくも菊地直子が逮捕され、身許を隠しながらの事実婚が報道されドラマ化だ映画化だと盛り上がっているところこちらはすでに平田ネタで撮って公開準備中と一手先の勢い、それでも華やかさや軽やかさとは無縁で事件もの扱うセンセーショナルもない、つまるところ「シブい」としか言いようがないなんとも不思議な後味、だけど企画で狙っていた「オトナの映画」にはなっている、しかも一大メロドラマ、文洋はメロドラマの監督だからそれが出ていれば文洋の映画として成功しているってことだろう、自分のホンとも自分の演技とも思わず、極めて客観的に好きな映画だったのが嬉しかった、太陽肛門スパパーンの花咲氏による主題曲が見事なので芝居でも使わせてもらうことにした、上映後は近場で打ち上げ、監督とPは別の場所でのポレポレ支配人会議に向かい、我々は祝酒でも慰労酒でもいいよう所在ない気持ちで先の乾杯、しばらくして戻った二人から「時期は未定ですが上映が決まりました」との報告あってようやく打上った、スタッフ陣は映画の感想より先に裸の感想をあれこれ言いやがる、それでも皆がかなりの集中で仕上げたのがわかるから有り難い、稽古中で主演不在だったのでそこそこで切り上げて報告に向かったがすれ違い、居残ってた演出助手チームに合流、途中愛仮制作靖子ちゃんから電話あって何事かと思ったら演劇版にも超朗報、ますます勢いづいての朝までコース、物事が動くときは人の思惑に関係なくするりと動く、逡巡がいかに無駄かを思い知らされる、良いだの悪いだのはどうでもいい、ただどうしようもない流れがあって乗るともなしに飲まれるだけ、人の想いなんてのはいつだって小さな孔があって、何かが透けてるもんだなあ、孔から吹き抜ける風に背中押されてれば良しと。


  1. 2012/06/07(木) 10:49:03|
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