双数姉妹を観たのはいつだったっけか。
当時、看板女優は2人いて、一人が明星さんで、もう一人は確か苅部さんといった。
苅部さんの方がいかにも看板らしい看板女優だったけど、私は明星さんの方がお気に入りで、一度会いたいと連絡して会ったとき、苅部さんは好みじゃないんですとずいぶん失礼なことを言ったのだけど、明星さんは大らかに「あっはっは」と笑ってくれた。
どこか事務所に紹介したくてナレーションの素材を録音させて貰ったこともあったような気がするけれど、その後、芝居をやめたらしいと聞いて、愕然とした。
その情報は不確かで、でも氣志團のマネージャーになったと知ったときには、なんだか「それはいいなあ」と思ったのだ。
好きなものにまっしぐらになって、全部放り出してしまえるようなところが、あるんだろう。
個人的に連絡を取り合うような間柄ではないので、明星さんの人生に何があったのかは知らないけれど、次にはコクーンの「三文オペラ」で、女優の明星さんを観た。
観られて嬉しかった。
今回のコルセットでの役は、キャスティングに難航した。
あれやこれやの女優さんの名前が出て、消えて、また出て、なんだかなあな時期があった。
プロデューサーの出す名前はぴんと来ず、私の出す名前はプロデューサーにしっくりこず、演出家としての私の名前は力が足りなさ過ぎて、出演交渉はなかなかうまくいかなかった。
明星さんの名前が出たとき、プロデューサーと私は大盛り上がりだった。
2人とも大好きな女優さんだった。
がっしりと大地を踏みしめて立っているようで、どこかふわふわと別世界に生きているような。
すっごく大きい綿菓子みたいな人だと思っている。
なんたって姿が美しい。
地団駄を踏ませたくなる。
美しい美術教師というぼやっとイメージしていた役柄にぴったりだった。
というよりも、明星さんならと考えたとき、初めて、あの役のキャラクターが見えてきたのだ。
だけど、事務所のOKが出ないんじゃないかという不安があった。
ホンもできてない企画に大事な女優を送り出してくれる事務所はそうそうない。
OKを貰って、明星さん自身より事務所の方々の期待がみっしり伝わってきた。
明星さんに出てもらえてよかった。
一緒にやれる機会が貰えてとても嬉しい。
いつもの明星さんとはかなり違う役だけど、とても明星さんらしいと私は思っている。
それに、「コルセット」のコヤで、彼女の一生に残るだろう出来事の欠片を共有できるんだなあと思うとわくわくする。
明星さんは、美しさに頼った立ち方をしないところが、とてもいい。
コルセット、本日夜の回の終演後に明星さんとトークします。ゲストは清水宏さん!
- 2012/07/05(木) 12:00:25|
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