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仕事部屋

0207.

企画を立ててるときが一番楽しいのは現実的な不安が見えてないからなんだろう、劇場探し・スタッフ集め・スケジュール調整などは慌ただしくとも愉しめる、その先にお金の計算をしながら公演に向かって一つずつを着実に進めなければならない作業になると途端に気持ちが重くなるのが常、旗振り体質なんだなあ、もっと下働きができるところで苦手意識がなくなるまで勉強させて貰えば良かった、かつて10代の頃に演出部の手伝いをやらせてもらったことが一度だけあったけど芝居作りの勉強までは至らずに終わった、師弟関係と言えるのは映画制作会社で世話になっていたシナリオライターのおじさん方だろうか、演劇のことはずっと出会って影響を受けて真似ていくだけの我流で、いざって時に師匠だったらどうするだろうと考えるようなスタイルがない、護るものも打ち破るものもなく自分の責任と失敗だけが師匠になる、きっとこれからも師匠の不在ばかりが大きくなっていくんだろう、それでも物差しだけはいつも持っていた、憧れる人を物差しに褒められることを目指して、その人が渋面しそうなことを避けるだけでも10代の自分には大きな道標だったんだと思う、どうしてるだろう逢いたいなと思ううちは関われて顔が浮かばなくなった時点で卒業なのか、今はもう物差しだった人を思い出すことも余りない、若いうちは仲間なんかいらなかった、一人でやれると意固地に思っていた、少しして何かやりたくなった時には愉しみながら動いてくれる人が必要になってそういう時には自分より若い世代に助けられた、背負うのが面倒になって放り出し独りで小説を書くだけの時間もあったけど、それは振り出しに戻ったようなもので、また何かをやりたくなって動いてくれる人が必要になる、師匠の背中を追いかけるより後ろに何かを引き摺って進むより、同じ目線が持てる同志がより有り難く感じられる年頃にもなって、果てしないなあ、延々こうやっていくのかと途方に暮れることもある、出世も達成もなく権力も持てず腕力だけで「そこにいる」ことのしんどさは本当に果てしない、しかもそれらは生活することとはまったく別のことだったりするから尚更、体調崩したせいか今年はそういうしんどさをいつも以上に感じる、もういっそ何もかもやめてしまいたいと現実的に考えていたのは事実で、来年の企画の打ち合わせをしながらも何もかも放り出した自分をぽわんと思い浮かべるようなところは今もある、気付いたのは、やめるためだけに続けているんだという現実、出口というか終点というか、これでもうやめられるという何かに辿り着くことだけを目指しているんだなあと実感した、惰性になってしまった恋人との付き合いみたいなもんだな、別れたくなるような何かが起きるのを待ち続けて磨り減っていく、別れるだけの体力があるうちでないと別れられないのに、と思うから、別れることをモチベーションにいそいそデートもする、さっぱりやめられる心持ちを目指していそいそ次の企画を立てる、あなたは前川麻子をやめられないという呪詛を浴びながら、自分自身をやめるためだけに自分自身をやり続けるという道のりを確かめて唖然とする。


Actor's JKD workshop 新設します。

  1. 2013/03/07(木) 12:48:58|
  2. 雑感
  3. | trackback:0
  4. | comment:1
<<花冷えに燃える。

comment

前川さん、ご無沙汰しています。
お忙しそうですね。お体は大丈夫ですか?
でも何だか充実した日々を送られているようで、読んでいる私もチョット元気になりました。
ツイートしようと思ったのですが、上手くいきませんでした(泣)
  1. 2013/03/09(土) 13:22:51 |
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