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仕事部屋

遊ぶに似たり。

先月半ば、気になっていた犬の歯をどうにかしようと動物歯科へ。
帆太郎の子どもたちはすっかり大人になってすでに抜歯処置をしておりあれこれの情報もある、それを元に検索や問合せを重ねてココと決めた歯科なので電車と徒歩でおよそ1時間の距離、診察の結果「一本も残せない」「顎の骨まで腐っているので単純な抜歯の処置ではなく外科手術になる」との宣告、放っておくと菌が脳内に回ったり臓器に回ったりして死に至ることもあるとは事前に調べていたのでその場で外科手術を予約、30万だかの見積書を貰ってしょんぼり帰宅。

バイト先に翌月の休み希望を出せる時期だったのが幸運で、手術の前日も交代してもらって月末からどかっと5連休の看護体制、骨折の手術をしたときのあれこれや自分が手術したときのあれこれも思い出して万全に整えたのだが、その実、老犬ゆえに麻酔の影響や術後の回復力に不安があってこれきりになるやもしれぬという気持ちで長めに休みを取った。

手術の途中で電話が入り、顎の骨が折れてしまいそうなので今回は処置できない箇所があり再手術をすると言う、結果今回は下顎の犬歯が左右1本ずつ残された、他は全部切開した上で抜歯と膿の除去をして縫合、顎には再手術に備えて骨補填剤を挿入、日帰りだったので迎えに行ったら骨髄炎だ骨肉腫だ不穏な単語混じりにオペ中の患部の写真をこれでもかというほど見せられ、こんな目に遭わせるのは飼い主のせいであると言われなくても泣きたくなる程判ってることを更に言わずして言う。

柔らかいものしか食べられないのは勿論、痛みがあるうちは自分では食べられないので手ごねで団子状にしたものを口の中に入れてやらねばならない、しかも傷を護るためか少量を2時間ごとにとの指示、顎先が今にも折れそうな状態なので後ろ足で口元を掻いたりしないよう首にプラスチックのカラーを装着しているが、カラーごとぶつけるのも危険と言われているのでとにかく動き回らせないよう目が離せない。

いつもはソファーで悠々と過ごす犬を床に寝かせ、風呂場のトイレは入り口に段差があるので居間に特設、食餌もいちいち粉薬を混ぜ込んで手ごねして匙で食べさせると、匙すら齧らんばかりの勢いで、痛いのを我慢しているのか痛みを感じていないのか知らないが、本能衰えずにまずは安心した。

歯がなくなると隔てるものがなくなってベロがでろりと出しっ放しになる、眠っているときなどは自然にベロが口の外に垂れ落ちている、口元の印象の大きさは人も犬も同じでベロが出てるとアホっぽいどころかどこかに異常があるように見えてたりもする、あながち間違ってもいないのか、術後2日目3日目とみるみる回復してまずは目の力が戻り餌も自分で食べるようになるとベロの垂れ流しも減って、カラーは30日装着と厳重に言われているから外せないがその扱いにもかなり慣れてきた様子。

2時間ごとに食餌を与え犬の寝返りをいちいち介助してろくろく眠ることもできなかったのは2日目までで犬も長時間眠るようになり、こちらもようやくの安眠ができるようになったのは明日から出勤という最後の休暇日だったが、手術が終わるまでの間に現代美術館でミシェル・ゴンドリー展を見たし自分の医者に行って薬も貰えた、看護の3日間でDVDを18本観て溜め込んでいた小説誌3種を3ヶ月分読んだ、犬は回復食なる栄養満点の缶詰で毛艶も良いが私は体重が2kg減っていた。

2週間後に診察があって1〜2ヶ月のうちに再手術と言われているので、それが次の休暇になる、今月は仕事絡みの観劇も多く〆切も1つあって隙間がない、犬が再手術までの日々を無事に過ごしてくれるよう願うばかり、どんな人生でも他の命に関わる機会が同じだけ巡るものなんだろう、親の介護をすることがなかった分がこうやって回ってくる。


朝日カルチャーセンター新宿校での【プロ作家が教える小説創作】講座、今月から新学期です。
学期途中からの受講も可能ですのでお問合せください。

  1. 2014/10/05(日) 16:19:08|
  2. 雑感
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