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仕事部屋

雨の日曜日。

3日間だけ「牝」の上映があるというので久しぶりにシネロマン池袋へ、道すがらTwitterに流れる誰かの記憶としての作品に触れてワクワクしていた、あの頃劇団の観客だった学生さんが日活に就職してシネロマン池袋の支配人になり、彼の働きかけでプリント廃棄と言われていた作品のニュープリントが実現した、そのシネロマン池袋で「牝」を観られるのはやはり特別だ、渋谷で観たときは健全な映画ファンが多い印象だった客席も本場のポルノ映画館となると見事に客層が違う、呟きのような断続的な会話が聞こえてきたりひっきりなしに出入りする人がいたり後ろの席から身を乗り出して背後から鼻息を吹きかけてくるおじさんがいたり、因みにこのおじさんはお母さんが犯される場面になると辛抱できなくなったのか後ろからそろそろと私の腕に触れてきた、振り返ってまじまじ顔を見つめたところあっさり引いてすぐに退場していった、ポルノ映画館は初めてじゃないけれど痴漢にあったのは今日が初めてだった、帰りにふじで天丼食べながら本来こういう雰囲気でこんな風に観る映画だもんなあとなんだか新鮮だった、スクリーンの加藤さんは生ッちろくてとんがった若さでギラついている、30年前の私はぎこちない佇まいで恐ろしい集中力が漲っている、どの場面を観ても確かあれはどこそこであのときこんなこと言われたっけとフレームの外側が動きだすのだが、それだけのことではなく特別に大切な映画であることをまた思い知らされる、上映が終わって出てきたところで館員さんに声をかけてもらい告知用に飾られていたポスターにサインさせてくれた、ポスターに並んで撮った写真もシネロマン池袋のTwitterアカウントに流れたけど、いやはや30年、もはや当時の吉川遊土さんよりも年上になってしまっている、30年前の自分をこんな風に観るなんて想像もしなかった、贅沢な愉しみだなあ、加藤さんまたいつか観に行くよ。
  1. 2017/06/18(日) 20:10:57|
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