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仕事部屋

偽装と現象。

この1ヶ月に職場は様変わり、部署が一つ閉鎖になって残党の配置換えで全体がごたついたり、そもそもから人員削減されたうちの部署では事務長が退職したことで各々の自己裁量による歪みが出たり、毎月安定して数字を稼いでいた一人が時短勤務を決めたり、気づけば所帯は半分くらいになっていて事務所は移転を決めている。

そうしたストレスからなのか意識があるまま手足が動かなくなって1時間ほど家族を動揺させたりもあり、脳梗塞は以前にもやっているのでまたそういうあれなのか、昨年診断された心身症的なそれなのか不明だが、帰宅してリラックスしている時に不調が出ることが多く、ついこないだまでの一人暮らしなら持ちこたえていたはずと思うから甘えなんだろう。

少し暖かくなったタイミングで一瞬活動的になった気がしたが寒の戻りで出鼻を挫かれた感じ、そういえばしばらく会っていない友人ばかりが増えてしまった、職場との往復が中心で休みの日には一歩も外へ出ないことが多く、段々人と話すことが億劫になっている、ごく稀に同僚と飲み明かすことがあるだけ健全なのかもしれない。

先日の金曜におむすびを拵えて家族で花見散歩に出た、花冷えの中のんびりと歩いて目的地手前で帰路についたが、日頃は皆バラバラな生活時間で全員が顔を合わせる機会は少なく、こうして予定を組まなければただ日常で気配を感じるだけだったりもするから、ただぶらぶら歩くだけでも十分に行楽なのだった。

もしかしたら、何かを生み出すとか造り上げるとかっていうことは、ゆらぎや歪みなどの、何もない隙間やぽっかりした穴というか、かきまぜられる渦巻きの真ん中みたいなところに現象として生じていたんじゃないだろうか、何もないわけじゃないのに何も起きない日々に慣れ親しんでみると、この中からはどんなものが生まれるだろうと待ち望んでいるところもあったけれど、そういうことにはならないのかもしれないとこの頃は思う、それでも何もないわけじゃないともわかるので、つまりそれらは現象であったのかと、だとすればまたいつか不意にそれらがあるのだろうと。

そういえば初めて小説を書いたときもそんな感じだった、あるとき不意に書き始めてあっという間に書き上げた、衝動のようなものかと思っていたが、あれもきっと現象だった、現象でしかなかったから維持には努力が必要だった、その努力を怠らずに結果を出す能力を才能というのだろうから履き違えて驕れば消えてなくなる、以前の自分であれば今のような生活はできなかったとも承知している、働くこともまた能力で、それができるようになったことも現象なのだろう、となれば、それが消えてなくなることもあるのかもしれない、意思でどうこうできることとは違う不可抗力的な。

最近観たテレビシリーズでHUMANというのがある、人間そっくりなロボットが労働力として普及する近未来の設定で、意識や感覚や感情を持つようプログラムされた試作品の数体が人間を愛したり憎んだりして物語を動かしていく、彼らにはミスがない、ミスがあれば故障と定義される、当然ながら彼らには現象もない、すべてがあらかじめ算出され想定された事象で、意思が覚醒して自由になっても生きる目的が見つけられず苦悩するロボットがいたりする、感情がないから傷つくこともない彼らに憧れて彼らのような振る舞いを真似て同化する子供たちの行為が社会問題として描かれたエピソードもあった、人間のように思考し感覚や感情をもって振る舞えるロボットを作るよりロボットのように思考や感覚を遮断して振る舞う人間性を育む方が容易いということなのだろう、意識を持ったロボットには個体差が生じ一つの結論を出すためにいちいち揉める、ロボットと人間が半分ずつの青年が主人公として活躍するが感情的だったり結果を考えずに行動したり臆病だったりのどうしようもない奴で、欠点のある主人公が好まれる傾向にあることは理解できるが、人間がロボットの緻密さや計算力や超人的な力をもつとかロボットが人間同様の意思や感情をもつくらいじゃ物語の主人公たり得ないのではないか。

人間性を天然と評する言い方があるが反語は養殖だそうだ、ならば偽装もあるわけで、どれも基準が商品価値であることが面白い、天然は生まれついてのものだし養殖もなるべくしてそうなる不可抗力で、偽装だけに意志がある。

好きなことをやるために止むを得ず働いている人たちが「音楽があってよかった」とか「演劇やっててよかった」とか言うのを聞くたび感じていた違和感は、満足の偽装を感じるからで、生活のために働いたり自己満足のために好きなことをやったりをひっくるめて日々の現象としてフラットに捉える人なら、満足を測ったりはしないのだろう。



  1. 2019/03/31(日) 11:57:42|
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