夏の終わり、世の中が自粛ムードだった隙に、こっそり家族旅行をした。
犬と幼児を連れて電車を乗り継ぎ、海沿いの家に一泊してきただけだが、今もその景色が恋しい。
親戚に会うなどの目的もなく、ただ家族でどこかに移動するだけの家族旅行は、恐らく初めての経験だった。
借りた家の芝生の庭で犬も幼児も大人たちも走り回り、寝転んだ。
庭の裏に出るともう砂浜で、水着の幼児は波打ち際で狂喜し、犬もざぶざぶと波を蹴って進んだ。
海辺には馬がいた。
日が落ちると、クール便で送った食材を庭の一角で焼いて食べ、潮風と煙まみれの体を交代で洗い流して、早寝した。
夜中に庭に出て星空を眺め、短い睡眠で目覚めてからは朝焼けを浴びた。
数時間後にはもう暑くなって、また裸足で芝生を走り、皆が起きてぞろぞろと海に向かった。
それだけの休日だったが、確かにこれまで味わったことのない時間だった。
日常がつるっと別の次元に滑り込んんだような、特別だけど特別すぎない感じが、とても心地よかった。
庭
孫
犬
月
朝戻って数日後には、映画を観たり人前で喋ったり懐かしい人と話したりした。
芝生や海辺や星空の時間と、新宿の映画館や居酒屋が、ゆるゆる混じり合って、少しふわふわしていたかもしれない。
それからまた日常がはじまった。
相変わらず、薬の服用で体調をだましだまし働いているけれど、慣れてくるとまるで不調などないように思える。
肋骨を痛めて以前整形外科でもらったコルセットをつけたりしていて、馴染んだ不調より俄然鮮明な痛みがあるから、肋骨の痛みがなくなればさっぱり健康になるような気がする。
少しだけ涼しくなったつい先日に、娘と二人で近所の焼き鳥屋に行った。
二人で飲むのはしばらくぶりだったが、二人とも酔っ払わずに引き揚げた。
新型コロナウィルスの煽りを受けて仕事が激減している亭主はこのところめきめきと料理の腕を上げ、孫の誕生日にプリンを作った。
孫が3歳になって集中していた誕生日ラッシュが落ち着くと、もう今年も終盤になっていた。
そういえば、帆太郎もみどりちゃんも海には行ったことがある。
犬は、ぜひとも海に行くべきだ。
- 2020/09/23(水) 23:20:17|
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