大切な友達が、船に乗って帰って来た。一番遠くにいたはずなのに、一番近くにいてくれた人。
もう着くよ、お土産あるよって船の上から報せてくれた朝方、あたしは返事をしなくって、あれやこれやが落ち着いてからの夜におかえりって言ったけど、そういうのは、ちゃんと愛として健全に循環するんだと思う。
そんなものを手にいれたってことが嬉しいから、言いふらしてしまうのね。
んで、あたしの持病が恋人に感染する。デートの誘いはうっかり無視したりするくせに、こういうことにはハシコイ。
安心なんかさせられないし信用なんてはなからないに違いないけれど、健全な愛の循環は、喘息発作のステロイド点滴みたいな、過呼吸発作のビニール袋みたいな、風邪っぴきの鶏団子スープみたいな、ギター弾きのメトロノームみたいなもんで。
歪ながらも健全な結婚生活を営みつつ不毛ながらも健全な恋をすでに一つ抱えているあたしの両手はもうふさがっているけれど、きゅうと首ねっこ掴まれてる感じ。
だいじょうぶ。あたしは誰にもかっさらわれない。
あたしはちゃんとあたしの足で立ってるし、あたしの言葉を口にしてる。
ちっとも複雑なんかじゃないし、まだちゃんと見渡せる。
ただ、このシチュエーションをネタにして短編小説を書いたときには、この展開を想像できなかったから、あたしの書く小説は、あたしの日常より、うんと陳腐なんだなあと反省。
- 2007/05/23(水) 04:15:49|
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