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仕事部屋

親方と恋人の、電話番号交換。
ベルリンの壁に、レンガ一つ分の隙間。

夫婦って面白い。結婚生活には面白くない出来事もあれこれあるが、夫婦っていう形の他人との関係は、かなり面白いものだと思う。恋人も準ずるのだが、やはりどこか危うく、その危うさがないという一点だけでも充分に夫婦は面白い。だって、危うくない他人との関係なんて、なんだかいかがわしいじゃないか。

自分以外の誰かは、必ずいつかいなくなると信じてきたからね。
親だってなんだって、いつかどこかに行ってしまうってのが、あたしにはデフォルトだから。
夫や娘や友人や恋人やらがいて、どんなに近くても、みんな自分以外の誰か=他人で。
ふと気づけば、いつの間にかそれらの他人とこれほど深く関わって生きてるわけで。
いつかいなくなる人だとしても、いなくなってしまういつかまでの、その間の部分には面白いことがいっぱいあるなあと。そこの部分を面白がりたいなあと。
ずっと拘ってきた家族観が、少しずつ変わっていく時期なのかもしれない。

大事なものは手放さない。何をどう抱えようが、いっぱいいっぱいに背負い込もうが、自分の足でちゃんと立つ。そういう当たり前のことを、これまでサボっていたんだろう。
まずは自分の足下を。よろけたときに肩を貸してくれる人が、ちゃんといるんだし。
などと、ちょっとした覚悟をしてみたりした今日この頃。

「すごーくいいのを貰いましたよー」と得意げに報告してくるばかりで、装画も解説文もあたしには見せてくれなかった担当氏は配本日も初版部数も教えてくれないのだが、講談社文庫で初登場になる「すきもの」の見本刷りが届いた。

img021.jpg


装画・デザインともに、連載時から挿絵をくださっていた井筒啓之さん。
帯文句さえ読まなければ、中身がエロとはわからないってくらいに美しいカバーです。
が、ばっちりそそるんですよ。特に、帯に隠れてる部分が。
解説文は安部譲二さん。
お会いしたことはないのだけれど、父ほどの年齢の先生に褒めて頂けるのは、なんだか得意な気分になる。見抜かれた一文あって、しみじみすげえなあと思った。
多分、近々に書店に並びます。清潔にエロいカバーを見つけたら、解説から立ち読みしてください。必ずや買いたくなる名文です。
通勤電車でもこそこそ読める文庫サイズの「すきもの」、単行本をお持ちの方も、光文社文庫「パレット」とあわせて、是非お買い求めください。






  1. 2007/06/09(土) 05:42:01|
  2. 雑感
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