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仕事部屋

散歩の途中で腰に巻いていたカーディガンを落としてしまったらしい。
帰ってきたら、なかった。
気に入ってもう十年くらい着ていた、サマーシルクの、きれいな色のカーディガンだった。
惜しい、とは思う。取り戻したい。けれど、もう一度同じ道のりを戻って、探す気力と体力はない。
ほんの数メートルのところに落ちていると気づいていたら、急いで引き返したのに。
けれど、今はもう、どこに落としたのか見当もつけられない。
探しに行く気力はないけれど、なくしたのは悔しいから、もっといい奴見つけて買ってやろうと。
どうして落としたときに気がつかなかったのかと悔やむ気持ちがあっても、落としたときに誰かが拾って追いかけてくれていたらなくさずに済んだのにと、むしのいい不満が強い。
きっと、失う運命だったんだろう。
犬や猫なら帰巣本能を信じて待つのもアリだろうけれど、カーディガンだからなあ。
いや、犬や猫なら、たとえ自分から逃げていったのだとしても、必死で追いかけて、探し出して、絶対にそのままになんかしないだろう。
どうして追いかけてくれなかったの、探しに来てくれなかったのなどと、つぶらな瞳で責められるのはたまらない。
しかしま、カーディガンだから、責められることもない。
お気に入りだったけど、落としてしまったから、もう、あたしのものじゃない。
けれど、ほんとにお気に入りだったから、同じものが売っていたら買うんだろうなあ。
そんでまた、落とすかもって思っても、腰巻きして散歩したりするんだ。
そういえば、うんと昔にも、同じようにカーディガンを腰巻きしてて落としたことがあった。
しがみついていてくれるカーディガンというのがあれば、そういうのが欲しい。

  1. 2008/07/06(日) 17:05:25|
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