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仕事部屋

「リトル・チルドレン」が抜群に面白かった。エグさも地味さもど真ん中の好み。

これと同じような話を「街の灯」というタイトルで某誌の連作短編に考えていたのは六年ほど前なのだが、編集長が変わったら第一話がボツになって差し戻され、その後は担当編集者の移動があったりもし、ちっとも直し作業に入れないままの六年で無論未完成のままだ。

新編集長は、細かく丁寧にチェックを入れてくれたのだが、それまでは担当氏とあたしの二人でやり取りしていたので、もう一つの意見が入ってきたことにうまく対応できず、戸惑っていたのかもしれない。
どうやって直そうかなあと考えるうち、他の仕事にかかってしまい、「街の灯」は後回しにしてしまった。
新しい担当氏は文芸担当としてよく知っていたのでついつい気を許し、放っておいてしまったせいだと反省している。
んでも、六年だなんて、あんまりにも不真面目、不誠実じゃあありませんか、あたし。

ちょいちょい気にかかってはいたのだけど、その後、向こうも何も言ってこなかったし、他の話を書けともならなかったから、あっちはあっちで「やる気ねえのかよ」とあたしを見限ったんだろうと思うけど、あたしが諦めずに取り組んで持ち込めば、ちゃんと見てくれていたに違いない。

因みに、「原稿のことでご相談が」と連絡をもらって打ち合わせをしに出版社に出向いたのは、それが初めてだった。
あたしはまだど新人で、おお、出版社に呼ばれてって編集長にダメ出しされるなんて、文藝っぽいじゃん、駆け出しっぽいじゃん、などとちょっとばかりはしゃいでいた。
ボツだったのに原稿料をもらったのも初めてで、おおーあたし育てられてるー、という感慨があった。

それにしても、話が似てる。
小さな街で起きる性犯罪、街で暮らす人々それぞれへの影響、被害者の両親、事件に関わった警官、地元の青年団、町内会長、加害者などなどの視点で切り取っていく連作。

リトル・チルドレンは原作モノだから似てるって時点で後だしだと使えないのだが、あのときにあたしがちゃんと踏ん張っていれば、映画の公開よりか二年早かったんだし、やれる可能性はあったと思うんだよなあ。
今も執着はある。タイトルも気に入っているし。マチャアキだけど。
書きたかったなあ、「街の灯」。

やっぱ、いつか書こう。
で、もうとっくに担当氏も編集長もいなくなっていたりしても、約束通りちゃんと持って行こう。

なんてことを思いながら観ていたのですが。

むむうー、もやもや。
落としたカーディガンといい、書かなかったネタといい、今週は後悔の星回りなのかね。
そして「リトル・チルドレン」も、もやもやとした、そういう話。


  1. 2008/07/08(火) 03:52:04|
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