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仕事部屋

なんでもアリ、という試みについての解説。3

大げさにあれこれ大上段に構えてしまうのは、それでもどこかに後ろ暗さがあるせいだろうか。
本当は、「ケータイ小説、書いてます」って、それだけでいいんだろう。
こんなふうに声明を発表しなくとも、ただ、「そこに読者がいるならば」、それでいいはずなのだ。

けれど、あたしの試みを面白がってくれる編集者との出逢いが叶った以上、すっとぼけているわけにもいかなくなってしまった。
職業上の問題意識として、きちんと意見したかった。
大げさと嗤われようとも、そうするのが筋道だと思うし、実際、あたしは大げさな考えの持ち主だから。

どうです、読んでみたいですか。
読んでみたいでしょ、前川の携帯小説 笑

宣伝しようと思ってこの記事を書き始めたのだが、ここにきて、恥ずかしくなった。

携帯小説を書いてますってことが恥ずかしいんじゃないんですよ。
携帯小説で書いている、内容がアレなもんで、なんだか今さらに恥ずかしいんです。

そして、あたしは、たった今気づいた、この恥ずかしさを誇らしく思う。
この恥ずかしさこそ、何より、ちゃんと携帯小説作家をやってることの、証明なんだと思うから。

大真面目です。
もちろん、職業作家として読者を裏切るようなことはできない。
携帯小説に取り組んでいる愛おしい仲間たちを馬鹿にするようなこともできない。
実話系だからって、登場人物のモデルになった人たちを貶めるようなこともできない。

とても難しかったけど、とても楽しかった。
小説を書くことの、純粋な楽しさを、取り戻せた気がする。

いつかの二村ラビの提案と、まったく違うルートだけれど、ひらっと別の自分に移れるのは役者上がりの特権かもしれない。

多分、今の作品が終わっても、続けていく。
胸の一番深い奥底にあったものを出してしまったから、次はどうなるやら。
ああ、新人賞のあとにするっと躱した二作目のプレッシャーが今ここで。

人というものは、タイミングが違うだけで、みんな同じだけの歓びや苦しみを味わうよう、あらかじめプログラムされているのだなあ。



  1. 2008/07/13(日) 00:56:21|
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<<なんでもアリ、という試みについての解説。4

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