朝八時半、ネットで注文したクールな靴箱が届く、なんてことはない無印の組み立て段ボールのシューズボックスなのだが、クール便のトラックに積まれてきたらしく、組み立てるときも大変クールなのだった。
クローゼットに詰め込んでいた靴を整理、荷物部屋の往復、靴磨きであっという間に昼下がりを過ごし、慌てて身支度して東京都写真美術館へ、
恵比寿映像祭の初日。
写真家ロバート・フランクを追ったドキュメンタリー映画「Leaving Home, Coming Home」は、撮影には協力的だったロバート・フランク自身が映画の出来上がりに「一年に三回以上の上映をしてはならない」と条件をつけたという赤裸裸さ、R・フランク自身も、かつてストーンズのドキュメンタリー「Cocksucker Blues」を完成させた後にストーンンズから上映すべからずと言い渡されて苦い思いをしたにも拘らず、と、本作の監督であるビル・マーレイを二周りくらい大きくしたようなジェラルド・フォックス監督が上映前のトークで言っていた。
なるほど、ロバート・フランクにしてみればちょっとプライベートなことを見せ過ぎちゃった感があるのかもしれない、だが観客はその分とても興味をそそられる、ロバート・フランクの写真家としての技術をそのまま模倣したような撮り方が、ドキュメンタリーの作り手の存在をうまくかき消して、「彼はこういう人」的な解釈の主張を感じさせない、人の存在そのものに忠実な記録映画として、成功しているんだと思う。
映画や写真を志す人には何度も繰り返し観たくなる映画だろうに、一年に三回しか上映が許されないとは残念、だが今回は、プログラマーも監督本人も、「Best!」と言うくらいに画質音質ともに素晴らしく美しい、恵まれた環境での上映なので、観られてよかったなあとつくづく。
オープニングパーティーに顔を出したのだがアルコールは売り切れだし煙草は吸えないしで、結局、K女史とO氏のご夫妻をご案内ついでのままジェラルド監督にもお足運び戴いてリオンで夕食、映画に関する雑談を拝聴、日本人形と近代美術と映像祭とロケ、明日の弾丸スケジュールを効率よくこなす段取りを教えてあげました、日本語で、地図つき。
観るべき、と押し付けがましく言うのはこの映画に相応しくないのだが、「Leaving Home, Coming Home」は、2/23 13:30からと、2/25 16:00から、あと二回の上映がある。
一イベントが一カウントなので、この映像祭の三回の上映で一年分というわけではありませんが、次はどこの国でいつ観られるのか、という状況を考えれば、やはり「観るべき」と言いたい。
東京都写真美術館はガーデンプレイスの敷地内、入場は無料、映画の上映は、美術館入り口左手のホールにて別個の受付あり、有料。
今日の帆太郎くん。俺も観てえよ、それ。
- 2009/02/20(金) 23:22:38|
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