土曜午後から娘と荷物部屋でごそごそ、フリマに出したいと思っていた衣類は娘がいそいそ自宅宛宅配便、いつ会っても全身くまなく母親のお下がりルックの女子大生、とんだ衣装持ち。
夜、ユーロスペースにて「
TOCHIKA」、舞台挨拶にいらしている菅田さんは上映見ずにお帰りになってしまうというので文洋に案内してもらって控え室にご挨拶、ごつい眼鏡のきりっとした役者顔がオフのときの、くしゃっとした優しい笑顔、大好き。
寒いんです、怖いんですと言われていた「TOCHIKA」は、映像の美しさで物語を探る必要なく観ていられた、要塞のフレームで切り取られた景色を、スクリーンのフレームに切り取って眺めているのは鏡合わせを覗くような面白さがある、風の音、炎の音、枯れ草の音、人の息づかい、どれも完成された美意識が文学になっている。
終映後のロビーで吉岡に声をかけられ一緒に打ち上げ宴会にお邪魔、午前三時を過ぎたら言う、今日は言わないで帰る、と宣言したのにビール一杯で不遜なこと言ってしまった、批判批評と受け止めず意見感想と思ってくれたらいいのだけど、まあいいか。
「TOCHIKA」は渋谷ユーロスペースにて連日21:00からのレイトショー、
上映後のトークゲストは
・10月25日(日)高橋洋(脚本家『リング』・映画監督『ソドムの市』『狂気の海』)
・11月2日(月)大谷能生(音楽家・評論家『貧しい音楽』『大谷能生のフランス革命』 )
・11月3日(火・祝)舩橋淳(映画監督 『BIG RIVER』『谷中暮色』)
・11月4日(水)七里圭(映画監督 『マリッジ・リング』『眠り姫』)
・11月7日(土)廣瀬純(批評家『闘争のアサンブレア』『シネキャピタル』)
・11月8日(日)鎌田哲哉(批評家)
・11月12日(金)菅田俊(俳優「TOCHIKA」主演)
の予定だそう。
吉岡につないできたものが吉岡から倍になって返されてるんだなあ、今の時代で映画を撮ってる人たちと出逢って、彼らを観ていられるのは嬉しい、私が観ていたいのは彼らの映画ではなくて映画を撮る彼らだから、どんな映画を撮っていても構わない、ただ映画がそこにありさえすれば。
持ち主に忘れられたちょっといい傘よりも、500円だってポケットに突っ込んで持ち歩ける傘がいい、観ることも、撮ることも。
- 2009/10/25(日) 15:53:37|
- 雑感
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ありがとうございます、が禁句ならば、撮り続け、お話し掛け続けるしかないと思います。
ですが様々な前川さんの「言葉」が残りました。
「言葉」に対してお返しできることがこれから永くなる、と思った以上、今はお礼も謝罪も禁じてまずは動いてみようと思います。
しかしそれでも最後に、ここまで『TOCHKA』を見据えて頂いて、ありがとうございました。
- 2009/10/25(日) 16:10:25 |
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- 木村文洋 #-
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お疲れさまです。
同じ足場に立てるよう映画が撮れたらいいのですが、私の仕事は言葉を使うことなので、それだけになってしまいます。
いつも真正面に受け止めてくれてありがとう。
「トーチカ」も「へばの」も沢山の人が観てくれるといいですね。
ゆっくりじっくり時間をかけて育てていってください。
(「분요」は文洋=ブンヨと読むそうです。)
- 2009/10/26(月) 16:00:39 |
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- まえかわ #-
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