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仕事部屋

6.21

二日間のワークショップを終えると、声が出なくなる。
演劇らしいことをやって喉を使うからではなく、WS終了後に朝まで飲んで吸って喋るせいだ。
痛みはないのだけど、眠って起きると声がまったく出ない。
尤も、話しかけるのは「おはよう」と犬に言うくらいだから特に不便もないのだけれど。

今月のWSは、演出志望の人がいたので演出する側のことも含めてのメニュー、外部企画の演出で稽古中にも関わらず、ちゃんとWSに参加してくれた。
自分の劇団の公演前後に参加してくれる俳優さんも増えてきている。
皆に自分の問題や疑問をフィードバックしてくれる人がいることはとても有り難い。

ずっと昔のWSに高校生の頃に参加していて、子育ても一段落した最近になってまた通ってくれる人と、今のワークショップはすごくいいね、という話をした。
教えるという姿勢が削がれてきて、一緒に考える、一緒にやってみる、出会う、関わる…というワークショップという言葉自体が持つ本来の意味に近づいてきたのだろう。

知りたいこと、学びたいこと、試したいことを持っている人は、それらを投げかけてたくさんの人の考えややり方を返してもらえる。
そういう人がいてくれれば、まだ何も見えていない、ただ漠然と何かを探している人にとっても、何かを持って返ってもらうことができる。

それは別にお芝居じゃなくてもいい。
目に留まったから、なんとなく、という理由で、まったく演劇には縁のない、関わる予定もない人がふらっと来てくれると、いつも参加している人たちは皆とても嬉しいらしい。
「演劇のワークショップ?へえ、どんなことやるの?」という興味のまんま、「じゃちょっと行ってみる!」と決心できる人はそう多くないだろうし、そういう人にどれだけその時間を楽しんでもらえるのかいつも不安があるけれど、異業種交流会ならぬ異人種交流会と思って来てくれる人がいても、やることがはっきりしている分、こちらは何も困らないし、ぶれない。

自己紹介をするとき「お芝居は何もやったことがありません」と言っていた人が、通ってくるうちに「お芝居はここでしかやってません」と言うようになる。
そういうのが、嬉しい。

異人種交流会でもいいし、秘密の趣味クラブでもいいし、勉強会でも反省会でもいいじゃんと思う。
ぐじゃぐじゃつるんだ仲良しサークルや、独自の規律が必要になる偏屈集団みたいなのは嫌いだから、「やります」「行きます」で、ただその時間にそこにいるってことをすべてにしてやっていけるのは、私にもラクチン。

芝居を観ることは動物園に遊びに行くのと同じだと思う。
私がやっていることは動物園の飼育係みたいなもんで、サーカスの調教師じゃあない。
サーカスで火の輪くぐりをするライオンに憧れて「どうしたら火の輪くぐりをするライオンになれるのか」と悩んでいる猫とか、象のふりをしている亀とか、キリンとか、カバとか。

うふふ。

動物園だな。







  1. 2010/06/21(月) 23:51:58|
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