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仕事部屋

マイナー志向。

7月WSのお申し込みは6日正午前で定員に達したため受付を終了しました。



暑さで浅い眠りが続いていて今朝も早起き、と、WSのカズエちゃんから「扇風機が余ってるけど使いますか」という泣くほど有り難いメール、それだけで生き延びた気がして、午前中から気合い入れて掃除、洗濯と荷物部屋の整理、荷物部屋として借りているアパートの廊下や玄関の掃除もして大汗、夜になって渋谷まで出向き、カズエちゃんが実家から送ってもらったという大事な扇風機トミナガ1号を譲り受けた、食事しつつ芝居の話ちょろちょろ、いそいそバス帰宅して早速トミナガ1号を稼働して極楽、聡子さんが送ってくれたコーヒー飲みながら微風を満喫、ところが帆太郎はトミナガ1号の稼働と同時にタオルケットの中に潜り込み、しばらくして出てきたと思ったらベッドの上からトミナガ1号に向かって唸り声、寒いんじゃなくて怖いのかと笑っていたが、唸り声は威嚇しているふうじゃなくどこかぼやきふうの弱腰、二時間ほどしたら慣れたらしく眠り込んでいた。

今日もまた友人からなんちゃらというSNSの招待メール、mixiが趣味に合わないのでFACEBOOKに移行しようと思って始めたのにまったく使いこなせない私にはtwitterとブログで十分、すでにtwitterも管理しきれていない、日々増え続けるフォロワーを確認しきれないので「フォローしました」など直接のコメントをもらって慌てて確認するような状況、自分のフォロワーを辿ってコメントが連鎖することを考えると、ビジネスアカウントや見ず知らずの人をフォローできない、関わり合いに責任が取れるかどうかを基準にフォローしている、それでもフォローが100人を越えたあたりでタイムラインを追いかけきれなくなった、遊び感覚とはいえその向こうには生身の人がいるわけで、その呟きは必ずや誰かに向けられていると思うから目を通せないほどの情報を抱えようとは思えない、知らない人からコメントをもらえるのは確かに楽しいけれど、どんな人だかわからない相手に自分の意見はコメントできない、何より知らない人に真意の欠けた当たり障りのないコメントを返す必要を感じない。

となるとtwitterでフォローできるのも私には100人ちょいが限界、それでも私の場合は殆どがリアルでの知り合いだからまだ負担にならないけれど、まったく知らない人を何百人もフォローしている人は超人的な社交性なんだなあ、「ツイッター・ノミクス」という本を興味深く読んだけれど、広く浅い関わり合いでのウッフィーはなかなか増やせそうにない、もう十年くらい昔だったか、チャットで知り合ってハワイ旅行のお土産のチョコレートや自作Tシャツを送ってくれたあの彼女はどうしているだろうとか、人生相談ページに書き込みしてくれたあんな悩みの人やこんな悩みの人は毎日しっかり暮らしているだろうかとか、結局のところそうやって相手をしっかり判別できる範疇でしか関わり合いを抱えられない。

100人なら一人一人と言葉を交わせるけど、それ以上になるとどこかに限界がくる、「誰だっけ」と首を捻りながらの関わり合いには自信も責任も持てない、自分の言葉を向ける相手としても同じことで、いつかは全部ひっくるめての「みんな」を相手にするしか手がなくなる、私は「みんな」に向けられる言葉など持っていないし、いちいち「はーい」とか「どうもー」とか「よろしくー」とかのバリエーションを人数分使い分けるマメさもない。

ライブハウスでも「みんな」と呼びかけられると恥ずかしくなっちゃう、明るくなったら見渡せるようなハコじゃなくて武道館クラスのステージで言ってくれと思う、けれどそこは「みんな」とヌケヌケ堂々呼びかけられる人にだけ着々「みんな」の幅を広げていく才能があるってことなんだろう。

つまり「顔が見える範疇での関わり合い」などと思ってしまう私は骨の髄までマイナー志向ってことだな。

そんな自覚したって編集者をがっかりさせるだけで何の役にも立たない、「前川さんの小説はもっと売れてもいいと思います」と言ってくれる編集者がいることはとんでもなく有り難いことだし、私だってまったく同じことを思うわけだが、その先になると「売ろうと思ってください」と言う人もいれば「売ることは考えずに書いてください」と言う人もいて、「なんで売れないんでしょうねえ」「もっと売れてもいいと思うんですけれどねえ」に帰結する、大体において編集者との打ち合わせで「読者が」「読者は」「読者の」と口にするのが恥ずかしいってのもいい加減マズいと思う、この十年いつでも大きな課題としてのそれをずっと抱えているわけで、そこんとこの原因に私自身の根深いマイナー志向があるとしたら本当に申し訳なくて項垂れてしまうのだが、項垂れている場合ではないと承知してもいる。

ワークショップにしても、もうちょっと値段を上げたらどうか、初心者向けクラスを増やしたらどうか、積極的に宣伝したらどうかと親身なアドバイスをしてくれる人は大勢いるのだけど、やっぱり定員〆切とかやっちゃうんだよなあ。

マイナー志向でありながら「売りたい」なんてのは無茶な話で、「売りたい」んならきちんと「みんな」に向けたことをしなければならない、それができないんなら「売りたい」なんて考えずに100人くらいのオトモダチ相手に偉そうなこと言ってればいいってだけの話じゃないか、小説現代7月号の「まなざし」を読んでくれた若き映画人が「何者になりたいかを考えていたわけではないのに、いつの間にか何者かになろうとしていたのかもしれない。何をやりたいかじゃなくて、今何をやるかどうやるかを考えて、とにかく続けていきたい」というようなことをtwitterでコメントしてくれた、まったくその通り、私がすべきことははっきりと見えている。

もしかしたら私は「みんな」と呼びかけたときに100人の返事しか返ってこないことを恐れているんじゃないだろうか。

だとしたら、すげえ切ない。

ここ1週間食欲がなくて豆腐しか食べられず頭も身体も動かずでこのまま野垂れ死ぬんじゃないかと思ったが、トミナガ1号のお陰で熱中症の熱疲労症状から脱することができた。

さて、何を志すでもなく、すべきことを黙々。
  1. 2010/07/07(水) 04:41:10|
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