火曜、井土紀州監督の新作「ピラニア」試写@アートポート、スピリチュアルムービーズのY氏、真起子、いまおか監督、古澤監督ら続々集結して、テレビ鑑賞の妙味。
「
青春Hシリーズ 」かなり厳しい条件での企画と耳にしているが、第一弾の「Making of LOVE」(古澤健監督)がとても面白く、うまく続けば日活ロマンポルノのような創ることの純粋さを生み出せるかもと期待が湧いた、いまおか作品は見逃してしまったが井土作品の後続にはモグラ町メイキングでお世話になった榎本監督、いつもお話できるのが楽しみな鎮西監督も控えているらしい。
「ピラニア」、少女と少女が惚れたイケメン、それを見守るダメ男の吉岡睦雄が主軸の変則恋物語、「犀の角」以降の井土作品に覗けた軽妙さ、明るさ、優しさが随所に煌めいて素敵、個人的には井土さんの底暗さを活かしてかつてのATG映画のような男の屈折純情が観たかったけれど、きっちりダークサイドを盛り込みつつ青春Hのお題に相応しい可愛らしを孕んでいる。
真起子は「やっぱり吉岡は女の子の扱いが巧い」と感心していたが、ド素人丸出しの少女が眩しげだったのが吉岡の功績だとしたら大した役者になったもんだと思う、リアルとデフォルメきわきわの人物造形で空虚に転ばないバランスは持ち前のセンスだと思うが、いつかどっぷり本質的な屈折純情を演って欲しい。
井土紀州監督作品「ピラニア」は12/18からポレポレ東中野 にて10日間限定レイトショー公開。 古澤健監督作品「Making of LOVE 」はセルまたはレンタルのDVDで。 試写後ぞろぞろと桜ヶ丘のジョイタイムに移動してお茶やらビールやら、良き時間にまた連れ立ってユーロスペースに移動、映画一揆「泥の惑星」、最初に観たときにさらっと見落とした好きなカットを発見できただけで充分に満足、やっぱり私は本物の青春にはキュンとこない体質なんだなあと痛感、若い子たちが「がんばりました」と言うほどに「大したことやってねえじゃん」と嗤いたくなる底意地の悪さをひた隠してまた宴席。
「がんばってる」若い人を見て感じるのは、かつての自分を映し込む甘酸っぱい小っ恥ずかしさなんかじゃない、もっと質の悪い、軽蔑と嫌悪だ。
がんばってる若い人を柔らかい気持ちで見ることのできない自分が恥ずかしいから、若い人が嫌いなのだ。
誤解を恐れずに言えば、若い奴は皆死ねばいいのにと思うことすらある。
自分だって子供の頃には「がんばりました」と涙する舞台を毎年やって育ったのに、大人の七転八倒を見知ってからは子供である自分のすべてを恥じた、以降は若い奴を徹底して見下している、羨ましく思うことなど微塵もない、若いってだけで、ただひたすらに無知で怠惰で傲慢無恥な、ただの阿呆としか思えない、年上の人から見た自分ですらその枠だと判るから鏡映しに嫌悪するのだけど、若い頃大人に混じっていると自分も大人になったように錯覚して恥をかいた、それと同じように、今の自分が若い人と関わっていると自分もまだまだ若造であるような錯覚で傲慢無恥になる自分を恥じ、挙げ句に実年齢と経験の差にはっとさせられ、また恥じる。
結局のところ、一生恥じ入って生きるんだろう、何故なら恥ずかしいと思う感覚があれば何だってできるから。
確かに私は羞恥心のない人を信用しないし、尊敬しないし、魅力を感じない。
といって「生きることの恥ずかしさ」からは、やはり逃れられない。
あらかじめ失われた子供時代への歪んだ羨望と嫉妬なのだろうけれど、たとえ一歳でも若返りたくなどないし、もう一度子供からやり直せと言われたら死んだ方がマシだと本気で思う。
ああ、寝て起きたら60歳とかになっていればいいのになあ。
映画一揆「泥の惑星」は渋谷ユーロスペース にて、いよいよ金曜までの21:00~レイトショー。
2010/12/08(水) 21:35:58 |
雑感
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60ってかすでに貴方はババアじゃないですか、どうなんです?前川さん
2010/12/09(木) 10:44:58 |
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N氏 #-
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そうなのです。ババアなのにババアらしく関わり合えないから腹立たしいのです。
本文わかりづらかったですね、すみません。
2010/12/09(木) 17:04:34 |
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まえかわ #-
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