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仕事部屋

バターになってる場合じゃない。

バイトがハード過ぎてバイト感覚じゃやっていられないと愚痴ったりぼやいたりしながらの黙々バイト生活、この年になるまでバイトで生計を立てたことがなく、世の中の人は偉いもんだなあなどと眺めていたが、まったく偉いもんだとこの頃は自分に頷ける、あやふやな肩書きでの一年に少しは成果があっての大仕事だからほんとにバイト感覚じゃやれないのだけど、それを専業にするにはきっと多趣味過ぎるのだろう。

火曜にバイト終えてからは今夏企画のあれこれを熟考、水曜昼に電話打ち合わせ、夜はACC年明け最初のクラス、200字の短文課題を全員が共有して、好きなものを択んで続きを書いていくという共作の試み、起・承・転・結を意識して四本揃ったところでそれをプロットにして今度は20枚に膨らませましょうという課題を出してみた、限られた文字数で削るのはキャラクター、シチュエーション、ディティール、エピソードだから、20枚に増やすには、逆にそれらを盛り込んでいけばいいと口頭で説明しながら、まったくその通りとここでも自分で頷いた。

帰ってからは自分の原稿作業、大昔に取材したネタ+ライター仕事で取材してポシャって行き場がなくなったネタにキャラクターとシチュエーションとディティールとエピソードを盛り込んでのリサイクル、徹夜の作業で三分の二まで進み着地点見えたところで行けないだろうと諦めていたチェロ・テロリスト坂本弘道氏の公演に行くことにし、ぎりぎりで切り上げて明大前キッド・アイラック・ホール。

坂本さんのチェロはたまに弾いてあんまり弾かない、小豆を投げつけたり鉛筆でぐりぐりやったりグラインダーで火花出したり、時には燃やしたりもするそうだが、この日は舞踏のダンサーと影師とジャグラーという共演者とのセッションで、その空間に存在する人の気配がちゃんと音色になっていく面白さを堪能。

出来事を心地よく共有できるってとても劇的だと感じて何しろ自分で驚いた、これまでの私であればそこに物語を探し出そうとしただろうけれど、そうじゃない観方が少しずつできるようになって、徹夜明けの作業途中で感性が全開になっていたせいもあるかもしれないが、とにかく目の前にあるものすべてにわくわく身体を乗り出してただただ「面白いなあ」と見物。

美味しいワインもほどほどに抑えてちゃんと電車で帰ったけど頭はなかなか切り替わらず、呟き倒して頭を空にし、さてと再びエロいところから作業再開、〆切当日である今朝8時にひとまずの57枚を脱稿して送信、キーボード叩き始めれば2分で埋没できるから小説書くのは楽しい、頭いっぱいになるけど芝居やるのも楽しい、バイトだって稼ぎになるなら楽しい、そんな当たり前の感覚が今までなかったことが自分の大きな孔だったんだと思う。

心当たりはほんの一点、犬の教えに従って乗り切る覚悟のそれが、想像以上に難儀なため余程意識しないとうっかり教えに逸れる、そのために意識していることがすべてにおける働きになった発見が続いて、凄いことだなあ、もうなんか触れるとか触れないとかの距離のことじゃないよなあ、今はもうそれが自分の芯になっているんだなあ、面白いものだなあ、有り難いことだなあと、ほんとのほんとに、毎日目覚めるたび眠ろうとするたびに思っている、願いが祈りに、祈りが真実に、虎がぐるぐるバターになってくみたいな。

さてそうなると今月WSの目玉であるエチュード大勝負、もう参加申し込みは締め切ったのでバラしてしまおう、今月のWSでは tsumazuki no ishi の寺十吾氏をゲストに迎え非公開WS限定企画で台本からエチュードに展開させる稽古をする、つまりWSの参加者はマエカワと寺十の稽古を見学する見取り稽古ができるという大変に愉快かつ豪華かつヒヤヒヤものの企画がこの週末に控えている。

それにしても初手合わせが恐ろしい、「すんごい緊張してる」と言ったら「へえ、緊張してんの?へへへ」と嗤われたのがまた悔しい、もうエチュード稽古なんてすっ飛ばしていつもみたいに飲んだくれませんかと今にも日和そうな心を奮い立たせて立ち向かう、まあね、どのみちどう気張ってもやれることは同じで「そのままそこにいる」だけ、それがお互いそういうタイプだから勝負なんだけども、なんだかすっかり負け戦な気分、じっちゃんもマエカワも明日の夜はどんな顔して飲んでんだろうなあ。
  1. 2012/01/20(金) 12:15:00|
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