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仕事部屋

わたしは貝になりたい。

昨日は、夕方から男の子と逢って、ぶらついて、仕事の打ち合わせでP社に行って、WastedTimeで遊作のソロを見て、クボちゃんやまっちゃんとお喋りして、中島さんに飲みに連れてってもらって、でろんでろんになって帰って、電話して、チャットして、ぐっすり寝た。

新しい男の子、新しい担当編集者、新しいともだち、新しい音楽。
新しい言葉、新しい試み、新しい悦び、新しい興味。
いろんな色が少しずつ重なって、それまでの自分の色が、また新しくなる。

一ヶ月に新しく知り合う人が、平均して10人とか15人とか。
出逢っていなかった時間を取り戻そうとするみたいにものすごい早さで親しくなる人や、じっくりじっくり時間をかけてたまに覗ける一部分だけでなんとなくつながっていられる人や、ただ見知っているというだけでも嬉しくなれる人や、お互いのタイミングの中でめまぐるしく関係性が変わっていく人や、ずっと変わらず確かなものとしてそこに居続けてくれる人や。

その人にとって、あたしはどんな人だろうなと考えるのも楽しい。

だけど、新しく出逢うたび、あたしは真っ先に自分の話ばかりをしてしまうから、たびたび反省して、恥じ入って、それでもまた同じことをしてしまって、ちょっとだけ自分のことがいやになる。

何がそんなに怖くて、自分のことを曝してしまうんだろう。
「こういう人」だと思って欲しい自分なんて、とうにないはずなのになあ。
無口な人になりたいなあ。

N.Y.に住みたいのは、英語の喋れないあたしには、黙ってるしかないからだ。
聞き耳立てて、一生懸命に考えて、どうしても必要なことだけを、必死になって伝えて、後はずっと黙って笑っていられた。
そんな自分になれるところは、他になかった。

いつか、そんな自分でいさせてくれる人と出逢うのかもしれない。

日常では、話せないことなんてないけれど、喋ってる自分が好きじゃないから、はっと気づいたときに急に黙ったりして。
それまでに話したことが消えるわけじゃないのにね。

あたしはこんな人なんだって、なんとか受け入れられるようになってから、ずっとそういう人でいいんだって思ってきたけれど、この頃は、急に、自分を変えたいと思う。

きっとすぐには変わらない。
もう真っ白にはなれないし、真っ白は怖い。
いろんな色を重ねて、少しずつってことなんだろう。

もしかしたら、早く年を取りたいってずっと思ってたのは、それと同じ欲求だったんだろうか。

口を開くたび、大事なものがどんどん崩れていく気がする。
言葉を探すたび、本当のことを次々に見失っている気がする。

あたしはいつも、言わなくていいことばっかり言ってる。
そんで、大事なことは、何も伝えられていない。
そう思ったら、なんだか悲しくて、涙までこぼれる。

ちょっと黙ってよう…。
  1. 2007/03/13(火) 21:59:05|
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